【(フランス語復習まとめ)フランス語で冠詞がつかないとき8(à, en, dans+地名)】

フランス語の地名の前には冠詞がつかなかったりついたりしているけれど、どんな規則があるの?

 

この記事を読むと、

 

  • 地名と前置詞à, en, dansが使われるときの概要
  • 地名が前置詞à, en, dansと一緒に使われるときに冠詞がつかないとき
  • 地名が前置詞à, en, dansと一緒に使われるときに冠詞がつくとき

 

についてわかるようになります。

 

フランス語の地名とà, en dansが使われるとき

 

結論から書くと、

 

・フランス語では『移動先場所・行動の場所・存在の場所』によって使われる前置詞が同じ

・前置詞は地名によって変わる

 

ということになっています。

どういうことかと言うと、日本語では、

 

  • 移動先
  • 行動の場所
  • 存在の場所

 

で助詞が変わります。

 

『移動』

 

大阪行く。

大阪行く

 

のように、

 

 

が使われます。

 

『行動の場所』

 

大阪たこ焼きを食べる。

 

のように

 

 

が使われます。

 

 

『存在の場所』

 

わたしは大阪いる。

 

のように

 

 

が使われます。

 

しかし今回紹介するフランス語の前置詞à, en dansはちがいます。

 

この三つの前置詞を『移動先』、『行為の場所』そして『存在の場所』で分けると、

 

『移動先』

 

Il va au Japon.

(彼は日本へ行きます)

※au = à+le

 

Il va en France.

(彼はフランスへ行きます)

 

Il va dans le Midi.

(彼は南フランスへ行きます)

 

のように、

 

  • à
  • en
  • dans

 

が使われます。

 

『行為の場所』

 

Il travaille au Japon.

(彼は日本で働きます)

 

Il travaille en France.

(彼はフランスで働きます)

 

Il travaille dans le Midi.

(彼は南フランスで働きます)

 

のように

 

  • à
  • en
  • dans

 

が使われます。

 

『存在の場所』

 

Il est au Japon.

(彼は日本にいます)

 

Il est en France.

(彼はフランスにいます)

 

Il est dans le Midi.

(彼は南フランスにいます)

 

のように

 

  • à
  • en
  • dans

 

が使われます。

 

まとめると、

 

日本語

場所+移動:へ、に

場所+行動:で

場所+存在:に

 

フランス語

場所+移動:à, en, dans

場所+行動:à, en, dans

場所+存在:à, en, dans

 

となります。

 

つまり、

 

  • フランス語では移動しても行動しても存在しても使われる前置詞の種類は変わらない
  • 前置詞の種類が変わる理由は一緒に使われる『地名の種類』

 

ということになります。

 

それを踏まえた上で、à, en, dansと地名がひとつになるときに、冠詞がつかない場合と冠詞がつく場合について見ていきます。

 

フランス語でà, en, dans+地名で冠詞がつかない時とつく時

 

フランス語の地名が前置詞à, en, dansと一緒になるときの冠詞がつかない、つくの条件はちょっとややこしいです。

 

  • 国名
  • 都市名
  • 地域名
  • 県名
  • 島名

 

の5つにわけて見ていきます。

 

à, en, dans+国名

 

フランス語の国名がà, en, dansと一緒に使われるとき、

 

  • en+無冠詞+国名
  • à+冠詞+国名
  • dans+冠詞+国名

 

のように分かれます。

 

掘り下げます。

 

en+無冠詞+国名

 

・女性名詞の前

・母音で始まる男性名詞

 

のときに、

 

en+無冠詞+国名

 

という形になります。

たとえば、

 

Il est en France.

(彼はフランスにいます)

 

Il est en Iran.

(彼はイランにいます)

 

のように使います。

 

à+冠詞+国名

 

母音で始まらない男性名詞

 

のとき

 

à+冠詞+国名

 

という形になります。

※国は一つしかないので、冠詞のleかlesが使われますが、àと並ぶと、

 

  • au(à+le)
  • aux(à+les)

 

という形になります。

 

たとえば、

 

Il est au Japon.

(彼は日本にいます)

 

Il est aux Etats-Unis.

(彼はアメリカにいます)

 

のように使います。

 

dans+冠詞+国名

 

国名が形容詞や補語で限定されている

 

ときに

 

dans+冠詞+国名

 

という形になります。

たとえば、

 

Il fait beau dans toute la France.

(フランス全国で晴れています)

 

Il habite dans l’Amérique du Nord.

(彼は北アメリカに住んでいます)

 

のように使います。

 

à, dans+都市名

 

フランス語の都市名がà, dansと一緒に使われるとき、

 

  • à+都市名
  • dans+冠詞+都市名

 

のように分かれます。

 

掘り下げます。

 

à+都市名

 

通常、都市名の前ではàが使われます。

冠詞はつかないです。

 

たとえば、

 

Il est à Paris.

(彼はパリにいます)

 

のように使います。

 

dans+冠詞+都市名

 

都市名が形容詞や補語で限定されているとき

 

dans+冠詞+都市名

 

という形になります。

たとえば、

 

C’était magnifique dans le Paris d’autrefois.

(昔のパリでこれはすばらしかった)

 

のように使います。

 

en, dans+地域名

 

フランス語の地域名がenとdansと一緒に使われるとき

 

  • en+地域名
  • dans+冠詞+地域名
  • dans le Midi

 

のように分かれます。

 

掘り下げます。

 

en+地域名

 

通常、フランス語の地域名(地域圏(régions),旧州( anciennes provinces))の前ではenが使われます。

冠詞はつかないです。

 

たとえば、

 

Il est en Bretagne.

(彼はブルターニュにいます)

 

のように使います。

 

dans+冠詞+地域名

 

フランス語の地域名(地域圏(régions),旧州( anciennes provinces))が男性名詞のときは、

 

  • dans+冠詞+地域名
  • en+地域名

 

という形になります。

どちらも同じ意味です。

 

たとえば、

 

Il est dans le Périgord.

Il est en Périgord.

(彼はペリゴールにいます)

 

のように使います。

 

dans le Midi

 

Midi(南フランス)という言葉は、

 

dans le Midi

 

という形になります。

 

en Midi

 

というオプションはありません。

たとえば、

 

Il passe l’hiver dans le Midi.

(彼は冬を南フランスで過ごします)

 

のように使います。

 

en, dans+県名

 

フランス語の県名がen, dansと一緒になるときは、

 

  • en+県名
  • dans+冠詞+県名

 

のようにわかれます。

 

掘り下げます。

 

en+県名

 

フランス語の県名が

 

・Vendée(ヴァンデ県)

・-で複数の言葉が結ばれた県名の1つ目の言葉が女性名詞

 

のとき、

 

en+県名

 

となります。

 

たとえば、

 

Il est en Vendée.

(彼はヴァンデ県にいます)

 

Il est en Seine-et-Marne.

(彼はセーヌ・エ・マルヌ県にいます)

 

のように使います。

 

dans+冠詞+県名

 

フランス語の県名が、

 

・ヴァンデ県以外

・-で結ばれた県名の1つめの単語が男性名詞

 

のとき、

 

dans+冠詞+県名

 

という形になります。

 

たとえば、

 

Il est dans le Var.

(彼はヴァール県にいます)

 

Il est dans le Lot-et-Garonne.

(彼はロット・エ・ガロンヌ県にいます)

 

のように使います。

 

en, à+島名

 

フランス語の島名がen, àと一緒になるときは、

 

  • en+島名
  • à+島名
  • à la+島名
  • aux+群島、諸島

 

のように分かれます。

掘り下げます。

 

en+島名

 

フランス語で大きな島の島名は、

 

en+島名

 

という形になります。

たとえば、

 

Il est en Corse.

(彼はコルシカ島にいます)

 

のように使います。

 

à+島名

 

フランス語で

 

小さくて男性名詞の島

 

のときは、

 

à+島名

 

という形になります。

※au+島名にならないので要注意です。

 

たとえば、

 

Il est à Sainte-Hélène.

(彼はセント・ヘレナ島にいます)

 

のように使います。

 

à la+島名

 

フランス語で、

 

小さくて女性名詞の島

 

のときは、

 

à la+島名

 

という形になります。

たとえば、

 

Il est à la Martinique.

(彼はマルチニーク島にいます)

 

のように使います。

 

aux+群島、諸島

 

フランス語で、群島、諸島(îles~)のときは、

 

aux+群島、諸島

 

という形になります。

たとえば、

 

Il est aux îles Canaries.

(彼はカナリア諸島にいます)

 

のように使います。

 

フランス語で地域名とà, en, dansの組み合わせが使えるようになると

 

前置詞と冠詞と地域名の組み合わせは、フランス語の悩みの種かと思います。

 

とくに聞きなれないフランス語圏の地名を聞いても、それが地方名なのか県名なのかわからないし、島の大小で冠詞がちがうと言っても、大小を分かつ基準はどこなのか、などの問題で悩まされるのではないでしょうか。

 

そこで簡単にルールだけ頭に入れた後は、インターネットを使った勉強方法がおすすめです。

 

特に地域名ではウィキペディアに頼りましょう。

 

 

参考は以下の本でした。

 

Nouvelle Grammaire du Français: Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonne (フランス語) ハードカバー


 

 

現代フランス広文典[改訂版]


 

 

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