【(フランス語復習まとめ)フランス語の不定形容詞aucun(まったく~ない)の使い方】
フランス語の文を読んでいるとたまにでてくるaucunの使い方がわかりにくいっ!
この記事を読むと、
- aucunの概要
- aucunの基本的な使い方
- aucunの例外的な使い方
についてわかるようになります。
目次
aucunの概要
aucunの意味は『まったく~ない』。
日本語(?)の無臭の『無』のような意味だと思ってください。
aucunは不定形容詞と呼ばれる形容詞の一種。
その理由は、
- 冠詞的な扱いにもなる
- êtreなどの動詞を挟んだ(名詞+être+aucun)のような使い方はできない
- 文を否定するneと一緒に使われる
など、形容詞だけどただの形容詞でない働きをするからです。
そしてそれは、つぎに紹介する使い方にも重要になってきます。
aucunの基本的な使い方
結論から書くと、
- 基本は男女『単数形』の使い分けのみ
- 形容される単語は単数形
- 物質名詞には使えない
- 文の作り方は2種類
の4つの点を覚えておくと、aucunが使いこなせるようになります。
簡単に掘り下げます。
基本は男女単数形の使い分けのみ
形容詞aucunの男女の形は、
- aucun
- aucune
です。
女性形は後ろのほうの発音が変わるので気を付けましょう。
aucun homme(いかなる人間も~ない)
aucune hésitation(まったく躊躇がない)
例外的に複数形が使われる場合もあります。
後述します。
aucunが形容する単語は単数形
形容詞が単数形になるということは、必然的に名詞も単数形であるということです。
aucun homme
aucune hésitation
物質名詞には使えない
物資的なものに対してはaucunは使えません。
そのため、たとえば『バターがまったくない』という文を作りたいとき、バターが物質なので、
On n’a aucun beurre.
とは作れず、
On n’a pas de beurre.(バターが全然ない)
のようになります。
On n’a pas de beurre.
の文が文法的にわからないという方は、ひとまず物質名詞とaucunは一緒に使えないとだけ覚えておきましょう。
文の作り方は2種類
文の作り方には2つのタイプがあります
タイプ1:
- 名詞の前に置く(冠詞は使わない)
- 文を否定形にするneを置く
- pasは使えない
もしくは、
タイプ2:
- sans aucun+名詞の形(冠詞は使わない)
です。
たとえば、
Aucun homme n‘est parfait.(いかなる人間も完璧ではない)
Il parle parfaitement le français, sans aucun accent.(彼は訛りのない完璧なフランス語を話す)
のような文の作り方になります。
※タイプ1の作り方のときは、pasは使えませんが
- ni
- jamais
- plus
は使えます。
たとえば、
Il n‘y a plus aucun espoir.(もう何の希望もない)
のような文です。
aucunの例外的な使い方
うえで説明した基本の使い方を踏まえた上で、少しちがったaucunを使った文の作り方について書きます。
具体的には、
- aucunが複数形になるとき
- aucunが名詞のあとに置かれるとき
- aucunが単独で使われるとき
の3点です。
掘り下げます。
aucunが複数形になるとき
意味的に複数形の形しかない名詞の前に置かれるとき、aucunは複数形になります。
その形は男女別に、
- aucuns
- aucunes
です。
たとえば、
Ces réparations n’entraîneront aucuns frais supplémentaires.(この修理には追加費用は一切かからないだろう)
のような文です。
frais(費用)は複数形での形しか存在していません(うしろのsupplémentairesが女性複数形の形になっているのにも注目です)。
aucunが名詞のあとに置かれるとき
sansとaucunを使った文は、
高尚にしたいときにはsans+名詞+aucun
とすることもできます(名詞の後ろにaucun)。
たとえば、
Il a fait connaître son choix sans hésitation aucune.(彼はまったくためらわずに自分の好みを伝えた)
のような文です(hésitationが女性形なので、aucuneと女性形になっています)。
aucunが単独で使われるとき
返事としてaucunが単独で使われるときがあります。
たとえば、
Avez-vous une objection ?(反対はありますか)
Aucune.(まったくありません)
のような文です。
この場合、
単独でも性数の区別がある(objectionが女性名詞だから、返事のaucunは女性形のaucuneになっている)
ことに気を付けましょう。
aucunのおすすめな勉強の仕方
形容詞だけどちょっと使いづらいaucunを使いこなせるようになると、フランス語力が上がったことを実感できます。
そこでおすすめは、インターネットを使った勉強法です。
たとえば、
- ネット検索ページやツイッターなどでaucunやaucune、aucuns, aucunesで検索し実際の用例を読む(インプット)
- 気になったものを書き出してみる(アウトプット1)
- aucunのあとに続く名詞を好きなものに変えてオリジナルな文を作る(アウトプット2)
というようなステップを踏むのがよいかと思います。
参考は以下の本でした。
Nouvelle Grammaire du Français: Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonne (フランス語) ハードカバー
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