【(フランス語復習まとめ)フランス語の形容詞tel(そのような)の意味と使い方】
telって所々で見かけるけど、形も多いし、使い方もよくわからない。
誰か知りませんか?
この記事を読むと、
- telの概要
- telを使った文の作り方
について分かるようになります。
目次
形容詞telの概要
フランス語の単語の1つであるtelにはいろいろな用法があります。
- 形容詞のように使われたり
- 前置詞のように使われたり
- 慣用句のように使われたり
そういうのがごっちゃになっているので、僕たち学習者に混乱を引き起こす原因の1つになっているのかもしれません(僕は結構混乱していました)。
そんなtelの意味は大別して3つ。
- そのような
- このような
- これこれの
日本語でも一見違いがちょっと微妙な感じです。
大まかに言うと、
・見たり聞いたりした事やモノについて話すとき(へ~そのようなことがあるんですね的なニュートラルな『そのような』)
・見たり聞いたりした事やモノが尋常じゃないとき(このようなことが許されるとも?的なちょっとこれ普通じゃないでしょという意味での『このような』)
・詳しいことは言いたくないとき(いついつに製品ができるかは後ほどお知らせします的な意味での『これこれの』)
というような感じです。
なにかについてふわっと言及したいとき
に使うのがよいかと思います。
telの形の変わり方
まず確認しておきたいことは、telは形容する名詞の性数で形を変えるということです。
- tel(男性単数)
- tels(男性複数)
- telle(女性単数)
- telles(女性複数)
この変化は、『前置詞っぽく使われるとき』にも起きます(形容詞の性数の一致がわからないという場合は
【(まとめ)フランス語の形容詞の複数形の作り方:4つの規則】
をご参考くださいませ。
telは主に名詞の前に置かれるので、
不定冠詞desと複数形名詞を使う
ときは、
- de tels+複数形男性名詞(例:de tels problèmes:このような問題)
- de telles+複数形女性名詞(例:de telles erreurs:このような間違い)
という形になります(desがdeになる規則については【(重要)フランス語の形容詞の前にdesじゃなくてdeを置くとき】をご覧ください)。
telを使った文の作り方
上にも書きましたが、telには
- 形容詞のような使われ方
- 前置詞のような使われ方
- 慣用句のような使われ方
があります。
それぞれを掘り下げます。
形容詞としてのtel
形容詞としてtelを使う場合は、
- 不定冠詞+tel+名詞
- tel(冠詞無し)+名詞
- tel+être+名詞
の3つのタイプができます。
不定冠詞+tel+名詞
不定冠詞はun, une, desのことです。
- そのような
- このような
の意味で使われます。
ニュートラルな意味での『そのような』なのか尋常じゃないという意味での『このような』なのかは、文脈で決まります。
Nous n’avons pas de tels orages en Europe.
(ヨーロッパにはこのような(そのような)雷雨はない)
tel(冠詞無し)+名詞
これこれの
の意味で使われます。
Il m’a donné rendez-vous tel jour, à tel endroit.(彼は某日某所で私と会う約束をした)
(注意)tel+être+名詞
他の形容詞と違い、動詞の先に形容詞telが来ます。
性数の一致もあります。
意味は
このような
です。
Telle est la vie.
(人生とはこのようなものだ)
前置詞のような使われ方をするtel
フランス語の前置詞は性数の一致はしないので前置詞ではないのですが、一見すると前置詞に見えてしまうときの使い方です。
- 名詞+tel+限定詞+名詞
- tel que+代名詞(or文(直接法))
- tel (+名詞or何もなし)que+文(主節が肯定文なら直接法、否定・疑問文なら接続法)
の3つのタイプを見ていきましょう。
名詞+tel+限定詞+名詞
性数の一致は後ろの名詞を基準にします。
限定詞というのは、冠詞や所有格(わたしの、あなたの、とか)、指示代名詞(この、その、とか)というな言葉のことです。
冠詞だけではないということがポイントです。
意味は、
~のように
です。
Sa voix claque tel un fouet.
(彼(彼女)の声は鞭のようにするどく響く)
のように使います。
tel que+代名詞(or文(直接法))
性数の一致はtelの前方の名詞に対して行います。
前方の名詞は
- 真横
- 主語
の2つのケースで考えます。
意味は
~のような
です。
Un homme tel que lui doit comprendre cela.
(彼のような人ならそれがわかるはずだ)
Elle est restée telle que je la connaissais.
(彼女は私が知っていた頃のままだ)
のように使います。
tel (+名詞or何もなし)que+文(主節が肯定文なら直接法、否定・疑問文なら接続法)
性数の一致は
- 真横
- 主語
の2つケースで考えます。
意味は、
あまりに~なので~だ
です。
Il a fait un tel bruit qu’il a réveillé tout le monde.
(彼はあまりに大きな音を立てたのでみんなが目を覚ました)
Le bruit n’est pas tel qu’on ne s’entende plus.
(その騒音は相手の話が聞こえないほどひどいものではない)
のように使います。
慣用句のような使われ方をするtel
tel quel
の形で使われます。
形容する名詞がある場合はその性数による形を変えます。
ない場合はtel quelのままです。
意味は、
- そのままの
- ありのままの
です。
Dites les faits tels quels.
(ありのままの事実を言いなさい)
Je n’ai touché à rien, j’ai tout laissé tel quel.
(私は何も触れずに、すべてをそのままにしておいた)
のように使います。
フランス語のtelを使えるようになると
telの使い方や意味を覚えると、フランス語の理解や表現が深まります。
しかし辞書などを引いても複雑な印象のあるtelはちょっと大変です。
僕の記事を読んで多少整理できたかと思ったら、おすすめはインターネットを使った勉強法です。
たとえば、
- ネット検索ページやツイッターなどでtelやtel que、tel quelなどで検索し実際の用例を読む(インプット)
- 気になったものを書き出してみる(アウトプット1)
- telやtel queのあとに続く名詞や文を好きなものに変えてオリジナルな文を作る(アウトプット2)
というようなステップを踏むのがよいかと思います。
参考は以下の本でした。
Nouvelle Grammaire du Français: Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonne (フランス語) ハードカバー
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