【(フランス語復習まとめ)英語とちがう!フランス語の大文字小文字の使い分け20】

フランス語の大文字と小文字って英語と同じように見えて、ちがうような気がする……どんなルールがあるの?

 

この記事を読むと、

 

  • フランス語と英語の大文字小文字の使い分けのちがい
  • フランス語の大文字小文字の使い分け

 

についてわかるようになります。

 

フランス語と英語の大文字小文字の使い分けのちがい

 

おなじアルファベットを使っているからと、英語と同じような感覚で大文字小文字を使ってフランス人に1度は直されるのがフランス語。

 

それもそのはず。

僕たち日本人が最初に触れるアルファベットの使い方がローマ字や英語

 

そのためついつい英語の大文字小文字の規則を当てはめてしまうのです。

 

というわけで、英語とフランス語の大文字と小文字の使い分けを比較してみましょう。

 

英語で大文字を使うとき:

  • 文頭(You missed it!)
  • 固有名詞の語頭 (Japan)
  • 一人称単数  (I)
  • 曜日、月名 (Monday, January)
  • 時代名、歴史的事件 (the World War I)
  • タイトルなどで強調したい言葉 (Harry Potter and the Sorcerer’s Stone)

 

同じ条件でフランス語で大文字を使う?:

  • 文頭 : (Tu as raté !):使います
  • 固有名詞の語頭 (Japon):使います
  • 一人称単数  (je):文頭以外では小文字OK
  • 曜日、月名 (lundi, janvier):文頭以外では小文字OK
  • 時代名、歴史的事件 (la Première Guerre mondiale):使います
  • タイトルなどで強調したい言葉 (Harry Potter à l’école des sorciers):小文字です(※Harry Potterは固有名詞なので大文字)

 

このなかでは、

 

  • 一人称単数
  • 曜日名や月名

 

には特に気を付けましょう。

文中では小文字です。

 

僕はフランス語初期学習時によく大文字で書いてしまい間違えていました(汗)。

 

フランス語で大文字を使う20の規則

 

規則を先に書きます。

あとから例と一緒に掘り下げます。

 

  • 文の初め
  • 名前苗字の初め
  • 称号のように使われる形容詞
  • フランス大統領に関する言葉
  • 王侯貴族への呼びかけ
  • 敬称
  • 公職を説明することば
  • 一般的な組織名を限定する名詞
  • ひとつしかない組織名
  • 国、州、町の名前
  • 自然地域の一般名詞(海とか湾とか)を限定する名詞
  • 施設などの一般名詞(塔など)を限定する名詞
  • 惑星、星、星座の名前
  • 地域を形用している方角名
  • 名詞としての国民名、市民名、人種名、民族名
  • 略語(1つの単語として読まれるタイプ)の語頭
  • 略語(アルファベットを1つずつ読むタイプ)
  • 祝祭日やイベント時の日、週、月
  • 時代名(固有名詞の伴わない)
  • 歴史的事件名

 

この20個の規則に当てはまるときに大文字が使われます。

 

では1つずつ掘り下げます。

 

文の初め

Hier, j’ai écrit une lettre.(昨日手紙を書きました)

 

英語と同じで、文頭は大文字で始めます(一人称単数でも2番目にあるjeは小文字であることにも注意しましょう)

 

名前苗字の初め

Juliette Dupont

 

これも英語と同じですね。

手紙などの署名では、苗字のアルファベットをすべて大文字で書く、ということもあります。

 

称号のように使われる形容詞

Alexandre le Grand(アレキサンダー大王)

 

Grandは偉大という意味ですが、leがついて名詞化されています。

そのうえでアレキサンダー王への称号となっているので大文字が使われています。

 

フランス大統領を指す言葉

de la République

Le Président

Le président de la République

 

la Républiqueは共和国という意味ですが、特にフランスを指すときには大文字で書かれます。

 

王侯貴族への敬称

Sa Majesté(陛下)

 

尊敬の意味もあるのでしょうか。フランス大統領が大文字で始まるのに関連があるのかもしれません。

 

敬称

Monsieur Nicolas(二コラ氏)

 

通常の敬称は大文字ですが、先生を呼ぶときや、町中で声をかけるときの敬称は小文字です。

 

公職を説明することば

le ministre de l’Environnement(環境大臣)

 

大臣にもいろいろありますが、何の大臣かの『何の』にあたる言葉は大文字で始まります。

 

一般的な組織名を限定する名詞

le ministère de la Culture(文化省)

 

省庁など組織名は一般名詞ですが、『何の?』を説明するときには大文字が使われます。

 

ひとつしかない組織名

l’Académie français(アカデミーフランセーズ)

 

Académie自体は一般名詞ですが、アカデミーフランセーズなどはひとつしか存在しないので大文字で始めます。

 

 

国、州、町の名前

la France

Paris

 

英語と同じですね。固有名詞なので大文字です。

 

自然地域の一般名詞(海とか湾とか)を限定する名詞

le mon Fuji(富士山)

la mer Méditerranée(地中海)

 

山や川は一般名詞ですが、そこに特定の言葉がつく場合、その特定の言葉が大文字になります。

 

施設などの一般名詞(塔など)を限定する名詞

la tour Eiffel(エッフェル塔)

 

塔といった一般名詞に特定の言葉がつくと、その特定の言葉は大文字に。

 

惑星、星、星座の名前

la Lune (月)

la planète Jupiter(木星)

le signe du Verseau(みずかめ座、宝瓶宮)

 

1つしかない月や、惑星(planète)を特定するJupiterなどが大文字に。

 

地域を形用している方角名

le pôle Nord(北極)

la Corée du Sud(韓国)

 

韓国は、

 

1:朝鮮という国の固有名詞なので大文字で始まり

2:Corée (朝鮮)の方角を特定する南(Sud)がついているので、その方角も大文字という2重構造

 

になっています。

北朝鮮はla Corée du Nordです。

 

名詞としての国民名、市民名、人種名、民族名

les Français(フランス人)

les Blancs(白人)

les Juifs(ユダヤ人=民族名としての

le peuple Yamato(大和民族)

 

注意したいのが、たとえばJe suis japonaisと言ったときのjaponaisは形容詞なので小文字です。

 

※一神教信者、教条主義者は小文字

les juifs(ユダヤ人=信者としての

les communistes(共産主義者)

 

略語(1つの単語として読まれるタイプ)の語頭

Unesco(ユネスコ)

 

こういった略語のことをフランス語ではacronymeと呼びます。

acronymeタイプの略語は語頭だけ大文字です。

 

略語(アルファベットを1つずつ読むタイプ)

SNCF(フランス国鉄)

 

こういった略語(日本だとNHKみたいな読み方)のことをフランス語ではsigleと呼びます。

sigleタイプの略語はすべて大文字です。

 

祝祭日やイベント時の日、週、月

la Semaine Sainte(受難週)

 

フランス語の日、週、月は文頭でなければ小文字ですが、イベント名の時は大文字に。

 

時代名(固有名詞を使っていない)

l’Antiquité(古代)

l’Ancien Régime(アンシャンレジーム時代)

 

一般名詞が使われていても、時代名として確立している場合は大文字が使われます。

 

歴史的事件名

la Première Guerre mondiale(第一次世界大戦)

 

一般名詞が使われていても、歴史的事件として確立している場合は大文字が使われます。

 

フランス語の大文字がいつ使われるかを知って、ちょっぴりレベルアップしましょう

 

フランス語の文章を読んでいると、ときどき、えっここでなんで大文字が?なんて思ったりしていましたが、今回改めてまとめてみて、すっきりしました。

 

なんで大文字?という意識は英語から来てしまっているかと思うので、脱英入仏しちゃいましょう。

 

参考は以下の本でした。

 

Nouvelle Grammaire du Français: Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonne (フランス語) ハードカバー


 

 

現代フランス広文典[改訂版]


 

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