【理想のフランス語の文法書の10条件】

英語に比べて、フランス語の文法の参考書の数は限られている。

入門書はそれなりに種類があるけど、上級になると選択肢がほとんどない……。

 

この記事を読むと、

 

フランス語の勉強を始めて十数年の管理人が考える理想の文法書の10条件

 

についてわかるようになります。

 

理想のフランス語の文法書の10条件

 

結論から書くと、

 

  • カラー
  • 発音あり
  • 文は簡潔に
  • イラストあり
  • 結論を先頭書く
  • 日本語の文法と比較
  • 口語文法や単語の項目
  • 文法用語はフランス語と併記
  • 必須以外の難しい言葉は使わない
  • 1ページに使う行数と文字数を制限

 

の10個の条件を最低限満たしているフランス語の文法書があればいいなと思います。

 

索引や目次、ページの縁の目印、サイズ、媒体なども色々注文はありますが、やはり上記の10条件が中身として大切だと思います。

 

掘り下げます。

 

カラー

 

フランス語の中上級者向けの文法書は、重厚な辞書のようなデザインのものが多いです。

 

そこで、

 

  • 強調が必要な箇所に赤色の下線
  • 重要文字が赤色

 

だったりするようなものがあればよいのではないでしょうか。

 

太字を使うのも手ですね。

 

発音あり

 

紙媒体の文法書だと難しいかもですが、やはりすべての例文に音声が付いているのが望ましいです。

 

なぜなら、

 

発音が苦手な人が文法書を読み込めば読み込むほど、間違った発音でフランス語の文を覚えてしまう人が多いから

 

です。

 

電子書籍ならできそうな技術ではあります(各例文の隣に音声マークがあって、そこをタップすると発音が流れるとか)。

 

文は簡潔に

 

フランス語初級者用の文法書には、結構カジュアルな文体のものもあります。

 

しかし、中上級用の文法書では、

 

カジュアルさは皆無

 

です。

 

論文なのかという質実剛健な文体で書かれ、

 

説明が長い

 

です。

 

  • 箇条書き
  • 接続助詞ではなく接続詞

 

を使うようにするだけで、文が

 

  • 短く
  • 見やすく
  • 読みやすく

 

なるので、もしかすると文を書く人と文法書を説明する先生を別な人にしたほうがよいかもしれません。

 

なぜなら、

 

知識を話すのではなく、フランス語学習者がわかるように話す(書く)

 

ことが、参考書の目的であるからです。

 

イラストあり

 

英語の本だと、かなりの確率でイラスト付きの参考書があります。

 

特に

 

前置詞の細かいイメージ

 

とかだと、イラストがあったほうが理解しやすいのではないでしょうか(乗り物によって違う前置詞とかありますから)。

 

結論を先頭書く

 

フランス語の文法書を使って勉強したい学習者がまず探している情報は、

 

この文法項目で何ができるようになるのか

 

ではないでしょうか。

 

例えば、大見出しで『冠詞』とあったら、その次の行で、

 

冠詞を使うことによってどんなことができるのかを箇条書き

 

しておくことで、

 

  • ゴールがはっきりする
  • 将来的に自分がどんな状況で使うのかがクリアになる

ので、文法をよりよく理解するための脳の準備(マインドセット)ができるかと思います。

 

日本語の文法と比較

 

個人的には、

 

日本の外国語の文法書に一番抜けている考え方の1つ

 

がこの視点だと思っています。

 

フランス語の文法書も例外ではありません。

 

日本語が母語である僕たちは、普段日本語を話すときに日本語の文法を意識しません

 

そして、

 

日本語はハイコンテクスト(文脈が言葉の意味を決めることが多い)かつ他の言語で言い表さないことを言う必要がある

 

という特徴があります。

 

たとえば、

 

どこへ行きますか。

どこへ行くんですか。

 

という文の基本的な意味は同じです。

 

しかし、2つ目の文は

 

『ん』が入ることにより、

 

質問された人がどこかへ行きそうであるという条件を、質問している人が感じている

 

という表現である上に、

 

この質問を受けている人が明確であるので、主語がない(ハイコンテキスト的に消えている)

 

というものです。

 

というわけで、例えば文法書上でフランス語の疑問文の作り方を学ぶページでも、

 

  • 日本語では疑問文がこういう理由でいくつかに分かれます。
  • フランス語では……

 

というように書いてあるほうが、

 

  • どの日本語の考え方の伝え方が
  • どのフランス語の文法に当てはまるのか

 

がわかって理解しやすいのではないでしょうか。

 

口語文法や単語の項目

 

僕を含め、フランス語を勉強していざフランス語圏に踏み入れたときに困るものの1つが、

 

フランス語の口語文法や単語

 

です。

 

フランス語の大学に入れるレベルのフランス語の試験に合格できていても、

 

きちんとした学習をしていないと口語のフランス語は難しすぎる

 

というのが実情です。

 

口語フランス語は、基礎フランス語の上に成り立っています。

そのため、初級で学ぶようなものではないかと思います。

 

しかし、

 

中上級の文法書でも口語フランス語の文法や単語をしっかり解説しているものは今のところ皆無

 

ではないでしょうか。

 

口語フランス語は、フランス語圏でフランス語ネイティブと密な相互理解を築くには必須です。

 

なぜなら、

 

同じ意味でも表現が違うものはニュアンスが違う

 

からです。

 

というわけで、

 

口語フランス語の文法や単語をしっかり解説してあるページ

 

が掲載されている文法書があればよいなと思います。

 

文法用語はフランス語と併記

 

解説書や参考書の絶対的な問題として、

 

書いてある意味はわかるけど、理解ができない

 

というものがあります。

 

しかし今はネットの時代。

わからないものも検索したらわかるときがあります。

 

そういうときに、

 

文法用語がフランス語と併記してあると、日仏両方で検索できるので理解できる可能性が増える

 

ということが起きます。

 

必須以外の難しい言葉は使わない

 

特にフランス語の中上級レベルが学べる文法書に多い傾向が、

 

解説文が難しすぎる

 

ということです。

 

論文か!

 

と突っ込みたい感じの、

 

質実剛健なものが多い

 

です。

 

参考書や解説書では、

 

読者が読んで理解しやすい

 

という視点が必須。

 

というわけで、

 

読んでわかりやすく理解しやすい書き方

 

で書いてある文法書が良いかと思います。

 

もちろん、どうしても避けられない文法用語はそのままでもよいかと思います。

 

1ページに使う行数と文字数を制限

 

文法書は、レベルが上がればあがるほど、1ページにおける文量が増える傾向があります。

 

京〇夏彦か!

 

とページを開くと突っ込みたい気持ちになります。

 

しかし、楽しんで読める京極夏〇の本とはちがい、文法書は

 

  • 覚えなければいけない
  • 理解しなければならない

 

という2つのストレスにより、楽しんで読めることが少ないのではないでしょうか。

 

そういうときに、1ページにおける文量が多いとげんなりとしてしまい、学習意欲が落ちます。

 

そして学習意欲が落ちると、理解力が減ります

 

といわけで、1ページにおける文字量をきちんと制限して、

 

  • 見やすく
  • 読みやすく
  • わかりやすく

 

してある文法書がよいのではないでしょうか

 

理想のフランス語の文法書

 

残念ながら、上に挙げたような条件をすべて満たすフランス語の文法書は今のところ存在しません。

 

いくつかの条件を満たした中上級レベルのフランス語を学ぶのなら、

NHK出版 これならわかるフランス語文法 入門から上級までが比較的おすすめです。

 

 

参考:【フランス語の中上級の文法を目指すならおすすめな2冊の文法書と問題集】

 

というか、これ以外の上級レベルのフランス語の文法書は基本は難しいです。

 

理想のフランス語の文法書……いつかどこかの出版社が作ってくれるといいなと願います(自分で作れ)。

 

 

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