【(フランス語復習まとめ)比較級(通常)の覚え方】
フランス語の比較級がいろいろあってよくわからない……。
この記事を読むと、
フランス語の比較級(通常)
についてわかるようになります。
目次
フランス語の比較級を具体的に勉強する前に必要な理解
フランス語の比較級を具体的に勉強する前に、理解が進むための事前情報を整理します。
比較級とは何かを比較し:
- ~より~だ(優等比較級)
- ~より~でない(劣等比較級)
- ~と同じ(同等比較級)
というような、上方向、同等方向、下方向へと比較した結果を表現をしたいときに使います(そのため日本語の訳にすると、微妙に上に挙げた表現と違うことも)。
比較の対象となるのは:
- 名詞(例:わたしより多いモチベーション)
- 動詞(例:わたしと同じくらい働く)
- 形容詞(例:わたしより可愛くない)
- 副詞(例:わたしより簡単に作る)
の4つです。
※ただ、形容詞と副詞での比較級の使い方は同じなので、実質的には名詞、動詞、形容詞・副詞の3つでの比較級を覚えることになります。
主に使う言葉は:
- より優れている:plus
- より劣っている:moins
- 同じ:autant, aussi
の4つです(この4つと一緒に比較対象を表すqueや名詞とくっつけるためのdeが登場します)。
フランス語の比較級で注意したい5つのこと
フランス語の比較級を勉強するときに注意したいことが5つあります。
それは、
- deとあとの名詞の数
- plusとmoinsのsの発音
- リエゾンやエリジオンの存在
- 特殊な形をしている比較級の存在
- 比較対象が人称代名詞(Jeやelleなど)のとき
というものです。
3つの比較級のタイプに共通なので、それぞれ簡単に解説します。
実際の例を使った解説は後述します。
deとあとの名詞の数:
比較級の言葉であるplusなどと名詞がくっつくときにdeが使われます。
このとき、
- deの形は不変
- 冠詞はつかない
- 名詞の数は数えられる名詞なら複数、数えられない名詞なら単数
ということが起きます。
plusとmoinsのsの発音:
plusのsの発音は、
- s
- z(リエゾン)
- なし
の3つのパターン、
moinsの最後のsの発音は、
- z(リエゾン)
- なし
の2つのパターンがあります。
リエゾンやエリジオン:
plusやmoins、そしてdeやqueは続く名詞によってリエゾンやエリジオンが起こります。
特殊な形をしている比較級の存在:
一部の形容詞や副詞には専用の特殊な比較級の形があります。
この記事では混乱を避けるために、別の記事で補完します。
比較対象が人称代名詞(Jeやelleなど)のとき:
比較対象に人の代名詞が使われるときは、
- 強勢形が使われる(moi, toi, lui, elle, nous, vous eux, elles)
具体例を使って解説
~より~だ(優等比較級)の作り方
~より~だ(優等比較級)では、
- 名詞:plus de 名詞 que 比較の対象
- 動詞:動詞 plus que 比較の対象
- 形容詞・副詞:plus 形容詞・副詞 que 比較の対象
の形が使われます。
そして、
- 名詞と動詞で使われるplusのsはsと発音される
- 形容詞と副詞で使われるplusのsは続く名詞によりリエゾンが起きる
ということが大きく発音の違う点です。
具体例と個別の注意点を挙げていきます。
名詞:
Il a plus de motivation que moi.(彼はわたしより動機がある:数えられない名詞)
Il a plus de pommes que moi.(彼はわたしよりリンゴを持っている:数えられる名詞)
Il a plus d’énergie qu’elle.(彼は彼女よりエネルギーがある:エリジオンが起きる)
名詞の比較級の注意点は、
- 比較級と名詞はdeでつなげる
- deのあとに冠詞は不要
- deのあとの数えられる名詞は複数形にする
- deやqueのあとの名詞が母音の場合はエリジオンが起きる
です。
動詞:
Il travaille plus que moi.(彼はわたしより働く)
形容詞・副詞:
Il est plus courageux que moi.(彼はわたしより勇気がある)
Il est plus âgé que moi.(彼はわたしより年上だ:リエゾンが起きる)
Il travaille plus positivement que moi.(彼はわたしより積極的に働く)
Il travaille plus activement que moi.(彼はわたしよりアクティブに働く:リエゾンが起きる)
形容詞と副詞の比較級の注意点は、
- plusのsはsとして発音されない
- plusの後に母音で始まる名詞がくるとリエゾンが起きる
です。
~より~でない(劣等比較級)の作り方
~より~でない(劣等比較級)は~より~だ(優等比較級)のplusをmoinsに変更するだけです。
- 名詞:moins de 名詞 que 比較の対象
- 動詞:動詞 moins que 比較の対象
- 形容詞・副詞:moins 形容詞・副詞 que 比較の対象
の形が使われます。
そして、
- 名詞と動詞で使われるmoinsのsはsと発音されない
- 形容詞と副詞で使われるmoinsのsは続く名詞によりリエゾンが起きる
ということが大きく発音の違う点です。
具体例と個別の注意点を挙げていきます。
名詞:
Il a moins de motivation que moi.(彼はわたしより動機がない:数えられない名詞)
Il a moins de pommes que moi.(彼はわたしよりリンゴを持っていない:数えられる名詞)
Il a moins d’énergie qu’elle.(彼は彼女よりエネルギーがない:エリジオンが起きる)
名詞の比較級の注意点は、
- 比較級と名詞はdeでつなげる
- deのあとに冠詞は不要
- deのあとの数えられる名詞は複数形にする
- deやqueあとの名詞が母音の場合はエリジオンが起きる
です。
動詞:
Il travaille moins que moi.(彼はわたしより働かない)
形容詞・副詞:
Il est moins courageux que moi.(彼はわたしより勇気がない)
Il est moins âgé que moi.(彼はわたしより年下だ:リエゾンが起きる)
Il travaille moins positivement que moi.(彼はわたしより積極的に働く)
Il travaille moins activement que moi.(彼はわたしよりアクティブに働く:リエゾンが起きる)
形容詞と副詞の比較級の注意点は、
- moinsのsはsとして発音されない
- moinsの後に母音で始まる名詞がくるとリエゾンが起きる
です。
~と同じ(同等比較級)の作り方
~と同じ(同等比較級)では、
autantとaussiが使われる
のが、優等・劣等比較級との大きな違いです。
具体的には、
- 名詞:autant de 名詞 que 比較の対象
- 動詞:動詞 autant que 比較の対象
- 形容詞・副詞:aussi 形容詞・副詞 que 比較の対象
の形が使われます。
具体例と個別の注意点を挙げていきます。
名詞:
Il a autant de motivation que moi.(彼はわたしと同じくらい動機がある:数えられない名詞)
Il a autant de pommes que moi.(彼はわたしと同じ数のリンゴを持っている:数えられる名詞)
Il a autant d’énergie qu’elle.(彼は彼女と同じくらいのエネルギーがある:エリジオンが起きる)
名詞の比較級の注意点は、
- 比較級と名詞はdeでつなげる
- deのあとに冠詞は不要
- deのあとの数えられる名詞は複数形にする
- deやqueあとの名詞が母音の場合はエリジオンが起きる
です。
動詞:
Il travaille autant que moi.(彼はわたしと同じくらい働く)
形容詞・副詞:
Il est aussi courageux que moi.(彼はわたしと同じくらい勇気がある)
Il est aussi âgé que moi.(彼はわたしと同じだけ年を取っている)
Il travaille aussi positivement que moi.(彼はわたしより積極的に働く)
Il travaille aussi activement que moi.(彼はわたしよりアクティブに働く)
フランス語の比較級のまとめ
フランス語の比較級では、
- plus(名詞、動詞、形容詞、副詞共通)
- moins(同上)
- autant(名詞、動詞)/aussi(形容詞、副詞共通)
が使われ、
- 比較級と名詞をつなぐ場合はde
- deの形は不変
- deのあとが母音で始まる場合はエリジオン
となり、
比較対象が人の代名詞(人称代名詞)の場合は強勢形
が使われ、
- plusのsは名詞と動詞の比較級を使った文のときはsとして発音
- それ以外ではリエゾンがあるとき以外は無音
となります。
参考は以下の本でした。
Nouvelle Grammaire du Français: Cours de Civilisation Francaise de la Sorbonne (フランス語) ハードカバー
せっかく勉強したフランス語を忘れてしまわないためにもネイティブとの会話練習がおすすめです→ベルリッツ・フランス語(現在無料体験実地中)
フランス語の勉強ならこちらもおすすめです:
- 【この11冊でだいじょうぶ!フランス語学習におすすめな教科書・参考書・テキストのまとめ】
- 【(徹底比較)フランス語の試験はどれを受けるべき?仏検、DALF、DELF、TCF、TEFの概要と3つの比較】
- 【フランス語が話せるようになるためのあと一歩を教えます】
- 【(徹底解説)独学でフランス語を勉強する方法・コツ】
- 【(徹底解説)フランス語会話ができるようになる4ステップの勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語の発音のおすすめ勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語の聞き取り(リスニング)のおすすめ勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語の文法のおすすめ勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語単語の効率的な勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語の読解(リーディング)のおすすめ勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語のライティング(フランス語作文)のおすすめ勉強方法】
- 【(徹底解説)フランス語の綴り(スペル)を覚えるおすすめな2ステップ】
>> ベルリッツ・フランス語(現在無料体験実地中なのでお急ぎで(通常料金19800円から))