【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・19 (主題繋辞文)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
ということを念頭にフランス在住元日本語教師がフランス語の文法を解説していく記事です。
主題って?
散々やってきた繋辞文もいよいよ最後の砦
- 国籍 (Je suis japonais.)
- 曜日 (On est lundi.)
- 地位 (Je suis étudiant.)
- 日付 (Aujourd’hui, on est le 27 mars.)
- 時間期間 (Il est 10 heures vingt.)
- 指し示し (C’est un chat.)
- 所属 (Le japon est mon pay natal.)
- 形容詞 (Mon chat est grand.)
- 上手下手(Je suis bon en sport.)
- 主題 ←今ここ
日本語を学ぶ外国人の方が直面する1つの難題に、『は』と『が』の違いというものがあります。
リンゴは高いいです。
リンゴが高いです。
『リンゴ=安い』という等式で結べそうなこの文の違いはわかりますでしょうか?
なんとなく分かる、という方、そのなんとなくが日本語を勉強している人にはかなり難しいのです。
なぜなら『は』と『が』の違いは様々な要素が奇々怪々に絡み合っているからです。
でも今回は『主題』に絞って書きます。
テーマと言い換えた方がしっくりくるのかもしれません。
要するに『あることに関して何が言いたいのか』ということです。
みなさんはマルキド・サドの小説を読んだことがありますでしょうか?
日本の大学で日本文学を専攻していた僕は、澁澤龍彦などを参考文献にしていたので沢山読みました。
サドとマゾのサドの語源にもなったフランスの小説家です。
残酷描写ばっかなんでしょ!?
と想像してしまうかもしれません。
確かにサドの小説の中には目を覆いたくなるなるようなシーンが永遠と出てきます。
そして残酷な目に遭うのは多くが善人のキャラクター。
しかし個人的にはサドの重要なところはそこではなく、いわゆる神や宗教を徹底期に否定する長口上だと思います。
人々が宗教的価値に強く支配されていたサドの時代に神を徹底批判し、神の愛、ましてや神の存在をも否定する。
それが実はサド作品のテーマだと僕は思います。
……などと長々と書いてきましたが、結局『何が言いたいのか』は、
サドの小説のテーマは『人間愛』である。
ということだけです。
こういうものを主題と言います。
何について話しているのかを文の始めに(『は』の前)、そして何を話したいのかを文の後に(『は』の後)にした文です。
日本語では『は』が持ついくつかの役割の1つとして主題があります。
フランス語にはこのような『は』が存在しません。
なので、『は』と『が』の間違いが多く目立ちます。
逆に日本人がフランス語を学ぶときも、そこに躓くことがあります。
あるものをないものにしなければなりませんから。
ないものはなくていいんだ!
というわけで、フランス語では『は』は無いわけですが、主題の観念はあります。
じゃあどうするのか?
(何について話すのか)、+繋辞文.
となります。
例えば、
Cette pomme, c’est chère. (このリンゴは高いです。)
気を付けなければならないことは、繋辞文の主語がここでは指示代名詞単数のc’になっていることです。
これはcette pommeが『物であり単数』だからです。
指示代名詞は、
単数:c’est_
複数 : ce sont
だと以前の記事で書きました。
もし物でなく人の場合は主として『人の性別や数に合った人称代名詞』を使います。
Nicolas, il est sympathique. (ニコラスは感じがいいです。)
二コラは男性で単数なので、ilが使われています。
もちろん形容詞繋辞文だけではなく、名詞を使った繋辞文も作れます。
Le japon, c’est un petit pays.(日本は小さい国です。)
まとめ
主題とは、『あることに関して何が言いたいのか』ということ。
フランス語では、
あること, 文.
文の主語は『あること』が人であるか物であるか、単数か複数か、そして人の性別は、によって変わる。
問題
以下の日本語をフランス語で考えてみましょう。
1:このチョコレートは美味しいです。
2:彼の車は高いです。
3:二コラの姉は綺麗です。
4:すきやきは日本の料理です。
5:ロシアは大きい国です。
(cher高い,délicieuxおいしい, voiture車(女), sœur姉, cuisine料理(女), russieロシア(女),pays国(男))
答え
↓
↓
↓
↓
↓
1 : Ce chocolat, c’est délicieux.
2 : Sa voiture, c’est chère.
3 : La sœur de Nicolas, elle est belle.
4 : Sukiyakai est une cuisine japonaise.
5 : La russie, c’est un grand pays.
いかがだったでしょうか?
これまでの記事で書いてきた性別の一致や所有形容詞や冠詞、不定冠詞のオンパレードでしたね。
サドの小説に関しては誤解が多いと思うので、短編でもよいのでぜひ一度読んでみてください。
実は主題に関しては、もっと複雑な文が作れるのですがひとまず今回はシンプルな繋辞文だけにしてみました。
参考になれば幸いです。
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