【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・9(繋辞で時間表現・時)】

あれやこれやと違っていると信じている外国語のルールが、実は日本語と似ていたら……もっと簡単に習えると思いませんか?

 

人称代名詞以外の繋辞

 

過去8回に渡って繋辞や人称代名詞と繋辞を使ったフランス語について書いてきました。

覚えているでしょうか。

フランス語の繋辞でなにが言えるか。

 

  1. 国籍 (わたしは日本人です。)
  2. 地位 (わたしは学生です。)
  3. 指し示し (これはリンゴです。)
  4. 所属 (わたしの国は日本です。)
  5. 時間期間 (今は12時です。)
  6. 曜日 (今日は火曜日です。)
  7. 日付 (今日は10月28日です。)
  8. 形容詞 (ニースの海は綺麗です。)
  9. 上手下手 (わたしは数学が苦手です。)
  10. 主題 (ニースは海が有名です。)

 

ここから前回までに紹介した人称代名詞+繋辞という構文を使っていえる、

 

  • 国籍 (わたしは日本人です。)
  • 地位 (わたしは学生です。)
  • 曜日 (今日は火曜日です。)
  • 日付 (今日は10月28日です。)

 

を抜くと、残りは

 

  1. 指し示し (これはリンゴです。)
  2. 所属 (わたしの国は日本です。)
  3. 時間期間 (今は12時です。)
  4. 形容詞 (ニースの海は綺麗です。)
  5. 上手下手 (わたしは数学が苦手です。)
  6. 主題 (ニースは海が有名です。)

 

の5つになります。

今回はその中でも、

 

  • 時間期間 (今は12時です。)

 

についてです。

せっかく前回の記事で数字について書きましたしね!

 

 

人っぽいけれど人じゃないil!

 

時間の表現は単純です。

 

Il est + 時間.

 

です。

ちょっと待て、人称代名詞使われてるやんけ!と思ったときにはちょっとストップ。

そう『彼』を表すIlと同じ言葉なのですが、実はこれは非人称とよばれるものです。

非人称のIlは、背景を説明したいけれど人が主語じゃないときに使われます。

時間と人の動作は関係ないってことです。

 

 

いま何時?

 

時(とき)の表現を細かく分けると時(じ)・分・秒に分かれます。

ぜんぶを一気に習おうとするとたくさんありすぎるので、今回は時についてです。

 

時(じ)はフランス語で

 

heure

 

と言います。

書くだけなら、上記の構文を使って1時は、

 

Il est 1 heure.

 

です。

何だ簡単じゃん!と思うかもしれませんが、そうはいかせないのがフランス語。

1 heureをすべてフランス語で書くと、

 

une heure

 

になるんです!

え!1って、unじゃないの?ぜんかいの記事でそう書いてあったじゃん!

そうなんです。そういうことがあるから記事を分けたのです。

実はheureは女性名詞

そしては、男性用unと女性用uneのふたつの形を持っているのです。

名詞の性別については以前の記事で書きました。

そしてフランス語では以下のルールがあります。

 

名詞の性別や数と形容詞のそれを一致させる

 

これは日本語では存在しません。

『おもしろい人』と『おもしろい人々』。

人の数が増えても『おもしろい』はいつも『おもしろい』です。名詞の性別に至っては存在しません。

あえて日本語でイメージを作るとすれば、

 

「昨日は友達とご飯を食べた。それからカラオケへ行きました」

 

という文を読んだときにおこる違和感でしょうか。

タメ語とです・ますを一緒にするな!どっちかに統一させろ!と思いませんか?

実はこういう間違い、日本語を習っている外国の方の文によくみられます。

日本人が名詞の性や数の一致に苦闘しているけれど、外国人は文体の一致に苦闘しているのです。

 

というわけでheureは女性名詞

なのでheureを修飾する言葉も必然的に女性形に

同じ理由で、いま何時?の一番簡単な言い方は、

 

Il est quelle heure?

 

となります。

quelle heureは何時という疑問の言葉(疑問詞)なのですが、『何』にあたるこのquelleは実は女性形(男性形はquel)。

quelについてはまた別の機会に書きます。

 

じゃあ2時は?

 

Il est deux heures.

 

二時以降は、1時間がふたつということでheureが複数形に。

複数形についても以前の記事で書きましたが、heureはラッキーなことにsをつけるシンプルなものです。

そしてフランスでは、口頭で時間を伝えるときに一般的に24時間制でやりとりします。

つまり午後の11時(23時)は、

 

Il est vingt-trois heures.

 

もちろん12時間制も可能です。

日本語のように午前の(du matin)午後の(de l’après-midi)という単語を時間のあとに付けます。

 

Il est 11 heures de l’après-midi.

 

 

そして特別扱いのお昼の12時と夜の12時。

お昼の12時は

 

Il est midi.

 

新しい日の始まりである24時は

 

Il est minuit.

 

と特別な言葉で表します。

と、ここまでで24時間すべてがいえるようになっているはずですが参考と復習として、

 

  1. une
  2. deux
  3. trois
  4. quatre
  5. cinq
  6. six
  7. sept
  8. huit
  9. neuf
  10. dix
  11. onze
  12. midi (douze)
  13. treize
  14. quatorze
  15. quinze
  16. seize
  17. dix-sept
  18. dix-huit
  19. dix-neuf
  20. vingt
  21. vingt et une
  22. vingt-deux
  23. vingt-trois
  24. minuit (vingt-quatre)

 

まとめ

 

・時間の表現は

Il est + 時間.

・時はheureという女性名詞なので1時はunの女性形を使いune heure

二時以降はheuresと複数形

基本は24時間制

・12時間制で伝えたいときは

午前:du matin

午後:de l’après-midi

をくわえる。

・お昼の12時はmidi

・夜の12時はminuit

・いま何時は

Il est quelle heure?

 

でした。

では問題です。

以下の時間をフランス語に変えてください。

 

1:04:00です(24時間制で)。

2:21:00です(24時間制で)。

3:12:00です。

4:07:00(12時間制で)。

5:13:00(12時間制で)。

答え

1 : Il est quatre heures.

2 : Il est vingt et une heures.

3 : Il est midi.

4 : Il est sept heures du matin.

5 : Il est une heure de l’après-midi.

 

どうでしたでしょうか?

参照にしていただけたら光栄です!

 

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