【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・12 (「これは」指示代名詞と複数形と所有形容詞と)】
あれやこれやと違っていると信じている外国語のルールが、実は日本語と似ていたら……もっと簡単に習えると思いませんか?
前回の記事は、指示代名詞を使った繋辞文についででした。
指示代名詞はいわゆる『これ、それ、あれ』
文型パターンとしては数が大切で、
・単数:C’est +冠詞 +名詞.
・複数:Ce sont +冠詞 +名詞.
冠詞の種類は3つ。後ろに続く名詞の性と数で変わる。
・定冠詞 (le, la les <l’>)
・不定冠詞 (un, une, des)
・部分冠詞 (du, de la <de l’>)
でした。
なんとなくでも覚えていらしゃったでしょうか。
再・名詞の複数形
以前の記事で紹介した名詞の複数形の作り方は覚えていますでしょうか?
- 語尾にsをくわえる(基本)
- 語尾がs/x/z なら何もしない
- 語尾がau/euならxをくわえる
- 語尾がalならauxとする
今回まではずっと1と2だけ使ってきましたが、今回からは3と4も使っていきます。
3の例は、
子羊という意味のun agneauがdes agneauxに。
髪という意味のun cheveuがdes cheveuxに。
※定冠詞を使うこともできますよ!
一本の髪の毛とたくさんの髪の毛……旦那のスーツについているのと床に落ちているのを想像するとかなりイメージが違ってきますね!
4の例は、
動物という意味のun animalがdes animauxに。
僕としてのイメージは、un animalだと宇宙人が捕えてきた1人の人間に対して。後者はそんな人間たちが反乱を起こした時の宇宙人視点のイメージです!
これ僕の。それ君の。
ただの冠詞ばかりだと飽きてしまいます。
そこで登場するのが所有形容詞と呼ばれるもの。
いわゆる僕の君の彼らの……。
日本語の場合は『代名詞+の』とふたつの要素が重なっていますが、フランス語の場合は1つの要素しかありません。
しかしここでしつこく食らいついてくる性と数。
直後に置かれた単語の性と数によって所有形容詞の形が変わってきます。
覚え方は色々あると思いますが、僕的には似たメロディーでリズムよく覚えるのがよいかと思います。
- 1人称が自分
- 2人称が話し相手
- 3人称がそれ以外の人たち(彼、彼女、それ、あの人……)
- 複数形もあるよ
というのは大丈夫でしょうか。
以前の人称代名詞のときと同じです。
2人称複数形のVousは目上の人に対しても使えるという決まりもありましたね。
たとえば1人称単数のjeの所有形容詞は3つあります。
なぜなら直後にくる名詞が
- 単数の男性名詞 (mon chien)
- 単数の女性名詞 (ma fille)
- 複数の名詞 (mes chiens, mes filles)
※chien(犬)、fille(娘)
の可能性があるからです。
1人称複数のnousの所有形容詞はnotre。
このときは所有形容詞は2つしかありません。
なぜなら複数形に男女は関係ないからです。
ここは前回の冠詞のときと同じですね。
desやlesと同じ。
気を付けないといけないことは、所有形容詞が複数形と呼ばれても、続く名詞は単数と複数の可能性があるということです。
notre chien(わたしたちの犬(1匹))
nos chiens(わたしたちの犬(複数))
つまり、所有物の数と性別に注目、それから人称の数に注意するのです。
というわけで、
単数:直後が男性形単数名詞
1人称:mon
2人称:ton
3人称:son
単数:直後が女性形単数名詞
1人称:ma
2人称:ta
3人称:sa
※ただし直後の名詞が母音a,i,u,e,oのときはそれぞれmon, ton, sonに。
複数:直後が単数名詞
1人称:notre
2人称:votre
3人称:leur
直後が複数名詞
1人称:mes
2人称:tes
3人称:ses
直後が複数名詞
1人称:nos
2人称:vos
3人称:leurs
・所有物は単数か複数か
・持っている人の人称と数を決める
上から読んで行くと、同じ音でまとまっていてリズムがでてくると思います。
ぜひ何度か行ったり来たりして口と耳で覚えてしまいましょう。
まとめ
名詞の複数形の復習
- 語尾にsをくわえる(基本)
- 語尾がs/x/z なら何もしない
- 語尾がau/euならxをくわえる
- 語尾がalならauxとする
所有形容詞は、
- 所有物の数の性別に注目
- 持っている人の人称と数に注目
単数:直後が男性形単数名詞
1人称:mon
2人称:ton
3人称:son
単数:直後が女性形単数名詞
1人称:ma
2人称:ta
3人称:sa
※ただし直後の名詞が母音a,i,u,e,oのときはそれぞれmon, ton, sonに。
複数:直後が単数名詞
1人称:notre
2人称:votre
3人称:leur
直後が複数名詞
1人称:mes
2人称:tes
3人称:ses
直後が複数名詞
1人称:nos
2人称:vos
3人称:leurs
文型パターンとしては、
C’est + 所有形容詞 + 名詞.
Ce sont + 所有形容詞 + 名詞.
問題
次の日本語をフランス語で考えてみましょう。
※鉛筆(男:crayon)、本(男:livre)、カップ(女:tasse)
1:それは私の鉛筆(単数)です。
2:それは君の鉛筆(複数)です。
3:それはあの人たちの本(複数)です。
4:それはあの人の本(複数)です。
5:それはあなたのカップ(単数)です。
↓
↓
↓
↓
↓
答え
1 :C’est mon crayon
2 : Ce sont tes crayons.
3 : Ce sont leurs livres.
4 : Ce sont ses livres.
5 : Ce sont vos tasses.
どうでしたでしょうか。
名詞の複数形を忘れたりしてませんか?
指示代名詞繋辞文も冠詞も所有形容詞もわかったけれど、ちょっと待って。
日本語だと、これ、それ、あれって距離によって分かれているけど……フランス語は?
そうなんです。
C’estもCe sontも距離に関しては語っていません。
どうするんだよ!
それは次回です。
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