【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・46 (単独行為文。移動行為文+目的+空間移動)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
おさらい
前回、前々回の記事ではaller+動詞の原形とvenir de+動詞の原形を使うと近い未来と過去を表現できるということについて書きました。
- Je vais dormir maintenant.(わたしは今寝るところです)
- Il vient de dormir maintenant.(彼は今寝たところです)
そして今回も使うこれ。
時間
何もつかない
- 今 maintenant
- あとで plus tard
- 今日 aujourd’hui
- 明日 demain
- 昨日 hier
- ~曜日に lundi
- (ただし曜日はleを付けると、毎曜日になる)
- すでに déjà
- まだ encore
前置詞が付く
- ~月に en X, au mois de X
- 午前 dans la matinée
- 午後 dans l’après-midi
- 季節 au printemps, en X
- 夜に dans la nuit
- 正午に à midi
- ~後に dans XX
- ~前に il y a XX
形容詞的なものがつく
- あとで plus tard
- 毎日 tout les jours
- 毎週 chaque semaine
- 今週 cette semaine
- 来週 la semaine prochaine
- 先週 la semaine dernière
- 毎月 chaque mois
- 今月 ce mois
- 来月 le mois prochain
- 先月 le mois dernier
- 毎年 chaque année
- 今年 cette annés
- 来年 l’année prochaine
- 去年 l’année dernière
- 朝 le matin
- 今朝 ce matin
- 今晩 ce soir
- すぐに tout de suite
何のために移動する?
世の中世知辛いもので、ふらふら歩いていると警察に尋問されることもあります。
ちょっとお兄さんいいかな、鞄の中見せてもらえる?
なんて僕は東京池袋の裏道を歩いているときに二人組の警察に声を掛けられ、筆箱の中を見られ、カッターナイフを取り出され、
これ何かちょっと説明してもらえるかな~?
としたり顔で聴かれたことがあります。
いや、自分デッサンのスクールに通ってて……。
焦る頭、どもる口。
何か証明できるのある?
と追及出されて渡したのが、免許証。
そんなんじゃデッサンのスクール行ってる証明にならんがや!
クロッキー帳を見せたれや。
などと今なら冷静に思うわけです。
結局クロッキー帳のきったない絵を見せたら真面目な顔を保ったまま警察は去っていきましたが、このように、移動には目的がつきものという意識が人間にはあるようです。
デッサンスクールの授業に行きます。
デッサンを習いに来ました。
日本語は、目的の言葉+助詞の『に』+行きます・来ます、で移動の目的を表せます。
目的の言葉は動詞でも名詞でもよい。
ただ名詞の場合は、『行動』の意味を含んで入る名詞に限ります。
北海道にスキーに行きます。
フランスに美術に行きます。
1つ目の文は大丈夫だけど、2つ目の文は???となりませんか?
美術という言葉に行為の意味が含まれていないからです。
フランスに美術を学びに行きます。
だと大丈夫になりますね。
フランス語では?
フランス語でも日本語と同じように移動と目的は一緒に語ることができます。
aller + 動詞の原形 (何かをしに行く)
venir + 動詞の原形 (何かをしに来る)
- Je vais voyager en France. (フランスへ旅行しに行く)
- Il vient voyager en France.(彼はフランスへ旅行しに来る)
ここであれれ~?と僕の記事を続けて読んでいる方は思うのではないでしょうか?
前々回の記事で、aller + 動詞の原形は『なにかするところです』と近い未来を表せると書いてたやないか、と。
そうなんです。
同じ文の形なんです。
でもvenirを合わせると非対称的になってしまいます。
近い過去未来
- aller + 動詞の原形(何かしにいくところです)
- venir de + 動詞の原形(何かしにくるところです)
目的
- aller + 動詞の原形(何かしにいく)
- venir + 動詞の原形(何かしにくる)
aller+動詞の原形という形で2つの意味を含んでいます。
なんとなく葛藤が透けて見えませんか?
何をするという行為には目的があるはず。
でも何かをしたという行為には目的があったりなかったりしちゃうよね。
的な。
ありますよね。
気が付いたらチョコ食べてたとか。
気が付いたら事故ってたとか。
過去の行為は目的意志がある時とない時があるのです。
目的がある歩みと無い歩みとは?
ここで新しい動詞を紹介します。
- 歩く marcher
- 散歩する se promener
です。
特に目的もなく足を動かすことを歩く、歩くことを楽しむために足を動かすことを散歩する、と区別しているわけです人間は。
それでも2つともこれまで通りの単独行為にあてはまる動詞です。
marcherは規則動詞です。
se promenerはちょっと不規則です。
se promener
- Je me promène
- Tu te promènes
- Il se promène
- Nous nous promenons
- Vous vous promenez
- Ils se promènent
se lever (起きる)と同じで、nousとvous以外の活用のときは、 eがèになっています。
- Je me promène. (散歩します)
そして散歩といえば定番はあそこ!
散歩するといえば、現在ニースにいる僕は断然浜辺!
というわけで、散歩しがちな場所の言葉を紹介します(男性女性名詞わかりやすいように、基本定冠詞、l’とかになっちゃう場合は不定冠詞をつけてます)。
- 公園 le parc
- 山 la montagne
- 浜辺 la plage
- 大通り une avenue
- Je vais me promener sur la plage. (浜辺を散歩しに行きます)。
- Elle se promène en montagne chaque matin. (彼女は毎朝山を散歩します)。
????
sur????
en?????
と思ってしまいませんか?
そうなんです。
日本語の場合、『空間を移動する』場合、助詞は『を』が1つで足りるのですがフランス語はそうは問屋が卸さない。
空間移動の場所
- 公園を dans le parc
- 山を en montagne
- 浜辺を sur la plage
- 大通りをsur l’avenue
ひとまず代表的なものを掲げてみました。
囲われているけれど、上が開いているparcにはdansが、四方八方囲まれて鬱蒼としているmontagneはenが、そして海と歩道に挟まれたり、両側に建物の建ち並ぶようなplageやavenueにはsurが使われています。
enの場合は冠詞がありませんが、そうでない場合に冠詞がついていることも要チェックです。
移動先を表すàや移動元(スタート地点)を表すdeとは根本的に違う発想なので気を付けましょう。
まとめ
- aller+動詞の原形と venir+動詞の原形で移動の目的を表せる。
- aller +動詞の原形には近い未来という意味もある。
- しかしvenirはvenir deでないと近い過去の意味にならない。
- 空間移動の場所の前置詞はバラエティ豊か。
問題
つぎのフランス語を日本語で考えてください。
1:私はフランスに旅行に行きます。
2:彼は日本に旅行に来ます。
3:彼女は毎晩浜辺を散歩しに行きます。
4:私たちは大通りを散歩しに行きます。
5:太郎と次郎は毎朝公園を散歩しに来ます。
解答例
↓
↓
↓
↓
↓
1 : Je vais voyager en France.
2 : Il vient voyager au Japon.
3 : Elle va se promener sur la plage chaque soir.
4 : Nous allons nous promener dans l’avenue.
5 : Chaque matin,Taro et Jiro vont se promener dans le parc.
いかがだったでしょうか。
みなさんは散歩しますでしょうか?
僕は散歩でなく、
Je vais marcher sur la plage.
をよくします。
論文執筆に煮詰まったり、色々嫌になったらなんとなく夜浜辺へ行ってフラフラ。
散歩というか、水平線を見ながら何もなくていいなあなどとフラフラ歩いているだけです。
他人から見たら散歩に見えるのかもしれませんが……。
警察に尋問されないように頑張りたいと思います!
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