【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・63 (対象行為文の否定(de, rien)について)】

なるべく難しい文法用語を使わないで、元日本語教師が日本語と比較しながらフランス語を解説していきます!

 

 

おさらい

 

前回の記事ではvouloirについて書きました。

日本語では『~は~が欲しいです』と繋辞(です)文になるが、フランス語では目的語をとる対象行為文となること。

しかし、欲をそのまま伝えるのは子どもの駄々こねのようで避けられるので、条件法という形で使う方がよい、ということでした。

 

  • Je veux ce chocolat.(このチョコ欲しい)
  • Je voudrais ce chocolat.(このチョコレートが欲しいです)

 

またvouloirにより、前回までで日本語では繋辞文で言えるがフランス語では言えないとなっていた項目がすべて言えるようになりました。

 

1 名前 (わたしはシンジです。) Je m’appelle Shinji.
2 国籍 (わたしは日本人です。) Je suis japonais.
3 地位 (わたしは学生です。) Je suis étudiant.
4 年齢 (わたしは18歳です。) J’ai 18 ans.
5 指し示し (これは猫です。) C’est un chat.
6 値段 (これは25ユーロです。) Ça coute 25 euros.
7 場所 (わたしはフランスです。) Je suis en France.
8 所属 (わたしの国は日本です。) Le japon est mon pay natal.
9 時間期間 (10時20分です) Il est 10 heures vingt.
10 曜日 (月曜日です。) On est lundi.
11 日付 (今日は3月27日です。) Aujourd’hui, on est le 27 mars.
12 イベント (今晩は花火です。) Il y a le feu d’artifice ce soir.
13 天気 (晴れです。) Il fait beau.
14 形容詞 (わたしの猫は大きいです) Mon chat est grand.
15 主題 (このチョコレートは美味しいです。) Ce chocolat, c’est délicieux.
16 好き嫌い (わたしはチョコレートが好きです。) J’aime bien le chocolat.
17 上手下手 (わたしはスポーツが得意です。) Je suis bon en sport.
18 欲しい (わたしはこのチョコが欲しいです。) Je voudrais ce chocolat.
19 痛み (わたしは腰が痛いです。) J’ai mal au dos.

 

 

否定のde

 

対象行為文の記事の中で使用してきた動詞は以下の通りです。

 

  1. 食べる      manger
  2. 飲む boire
  3. する faire
  4. 書く écrire
  5. 買う acheter
  6. 取る prendre
  7. 持つ avoir
  8. 好む aimer
  9. 会う voir
  10. 知っている       connaître
  11. よく知っている        savoir
  12. 欲しい      vouloir

 

第55回でも書いたのですが、対象行為文では、否定文になると目的語にdeがつくことがあります。

 

  • Je na mange pas de chocolat.(わたしはチョコレートは食べません)

 

deとなるのは、元の文が不定冠詞や部分冠詞の場合です。

 

  • Je mange une banana.
  • Je ne mange pas de banana.

 

  • Je mange de la viande.
  • Je ne mange pas de viande.

 

逆にいうと、定冠詞や指示代名詞が付く場合はdeになりません

 

  • Je ne mange pas ce chocolat. (このチョコレートは食べません)
  • Je n’aime pas le chocolat. (わたしはチョコレートが好きじゃありません)

 

とくに好悪の気持ちを表すaimerの否定は、deをとることはないので気を付けましょう。

一部だけ好きじゃない、という気持ち以外は全否定につながります。

日本語でもそうですね。

 

  • 私はあなたのことが好きじゃない。
  • 私はあなたのこういうところが好きじゃない。

 

上は全否定だけれども、下はまだ好きな余地を残していますね。

 

 

何もしません?

 

魚も食べない、肉も食べない、米も食べない、パスタも食べない、お菓子も食べない、野菜も食べない、あれもこれも何も食べない!

というように、すべての可能性を否定したくなるときがあります。

 

ne 動詞 rien

 

でそれができます。

 

 

  • Je ne mange rien. (わたしは何も食べません)
  • Je ne fais rien.(わたしは何もしません)

 

ただ、voir(会う)のように目的語が人になる場合は、以前書いたne personneを使います。

 

  • Je ne vois personne. (わたしは誰にも会いません)

 

 

まとめ

 

  • 目的語につく不定冠詞や部分冠詞のある文が否定形になると、それらの冠詞がdeになる。
  • ne 動詞 rienで対象行為文の対象をすべて否定できる。

 

問題

次の日本語をフランス語で考えてみましょう。

1:わたしは肉を買いません。

2:彼はスポーツをしません。

3:彼らは何も知りません。

4:彼女たちは何も好きじゃありません。

5:私たちは誰にも会いません。

 

解答例

1: Je n’achète pas de viande.

2: Je ne fais pas de sport.

3: Ils ne connaissent (savent) rien.

4: Elles n’aiment rien.

5: Nous ne voyons personne.

 

いかがだったでしょうか。

ちょっとめんどくさいdeでしたね。

小さい事なのですが、意外とフランス語の文章を読んでいるとひっかかるので覚えておくとよいと助けになるかと思います!

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