【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・33 (存在文の否定形)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
復習
前回の記事で、存在文は
Il y a文 (存在の有無を強調)
繋辞+場所の表現 (存在以外の情報に興味)
の2つの存在があると書きました。
この2つを否定文にしたいとき、どうすればよいのでしょうか。
否定文
以前の記事でフランス語の否定は繋辞をneとpasで挟むと書きました。
というわけで、1つめは楽勝ですね。
Shinji n’est pas au japon. (シンジは日本にはいません)
じゃあこの調子で
Il y a un chien au-dessous de la table.(テーブルの下に犬がいます)
を否定すると……って、あれ?
どこにneとpasを置けばいいんだ!?
安心してください。
pasはいつも動詞の後ろ。
つまりIl y a pas。
問題はne。
Il y n’a pas?
いいえ、正解はyの前。
Il n’y a pas de chien au-dessous de la table.
が正解となります。
って、ちょ待てよ。
n’?
de?
そうなのです。
Il y aの否定文は繋辞の存在文に比べてやっかい。
といっても、neがn’になるのは、La ItalieがL’italieとなるのと同じで、後ろに母音が続くと合体する(エリジオンと呼びます)のと同じです。
じゃあdeは?
これは存在大否定のdeです。
まとめでも書いたとおり、存在文il y aは存在の有無に焦点が当たっています。
つまりil y a~.という存在文を否定すると、存在自体がなくなる。
一切ない。
そんな気持ちを表すのがこのdeになります。
他にもne~personneやne~rienを組み合わせることで存在文はその効力を最大に発揮します。
Il n’y a personne. (誰もいません)
Il n’y a rien. (何もありません)
否定+α
というわけで繋辞存在文とil y a存在文で否定の仕方が違いました。
しかし同じ気持ちは伝えられます。
それがne~plus。
前は存在していたのにいまは存在していない、そんな気持ちを伝えられます。
Shinji n’est plus ici. (シンジはもうここにいません)
Il n’y plus de chien là-bas. (犬はもうあそこにいません)
なんだか『千の風になって』みたいな気持ちになってきました。
というわけでお家に帰りましょう。
そんなときに使いたい前置詞がchez。
『~の家で(に)』という特別枠がこの前置詞で表せます。
Shinji n’est plus ici. Mais il est chez Nicolas(シンジはもうここにはいませんが、二コラさんの家にいます)
Il n’y plus de chien là-bas. Mais il est chez moi (あそこに犬はもういません。でも私の家にはいます)
よかった。かなしい犬なんていなかっんや!!
まとめ
存在文の否定はil y a文と繋辞文で違う。
今回はこれ一点でしょうか。
問題
以下の日本語に否定のフランス語で考えてみましょう。
1:キムタクは……あなたの家にいますか?
2:誰がいますか?
3:何がありますか?
4:まだチョコレートがありますか?
5:リンゴがひとつありますか?
解答例
↓
↓
↓
↓
↓
1 : Non, Kimutaku n’est pas chez moi.
2 : Non, il n’y personne.
3 : Non, il n’y a rien.
4 : Non, il n’y a plus de chocolat.
5 : Non, il n’y pas de pomme.
いかがだったでしょうか。
同じ存在を表しているのに、焦点の違いで否定の表現も変わってくるのはおもしろいですよね。
言葉を通じて人の思考を読み取れそうですし。
そういえば、pasはいつも動詞の後と書きましたが、口語の場合はneもilも言わないことが多く、
Y a pas de chocolat.
のような形になります。
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