【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・82 (引用文direやフランス語でのかぎかっこについて)】

日本語をおさえてからフランス語を学べば理解度も増すはず。

今回はdireを使った引用文についてです。

 

 

おさらい

 

これまで、

  1. 繋辞文 (A=B的。Je suis japonais.(私は日本人です))
  2. 存在文 (Il y a un japonais.(日本人が1人います))
  3. 単独行為文 (Je dors.(私は寝ます))
  4. 対象行為文 (Je mange ça.(私はこれを食べます))
  5. 授受行為文 (Je donne ça à Jiro.(私はこれを次郎にあげます))
  6. 変化文(Je suis devenu étudiant.(私は学生になりました。))

 

について書いてきました。

今回からは新しい文についてです。

 

 

私はわたしがワタシに話しかけたと言う

 

今僕は絶賛修士論文の執筆中です。

論文なので、好き勝手な意見を書くことはできません。

論じるテーマについて、これまで書かれてきた過去の論文を読み、これこれこういう結果でこういうこと言っているので、それと今回自分が発見したのを合わせるとうんたらかんたらと書いていくわけです。

でも、そういうのって日常にもありますよね。

 

  • あんなにも私のこと好きだって言ったじゃない!
  • ヤマダ電機さんのほうでは5000円引きだと言ってたんですがー、こちらではどうなんですか-?
  • 田中さんが今日は来られないって言ってたよ。
  • 気が付いたら「ありがとうございます」って海に向かって叫んでた。

 

 

などなど。

日本語の場合、助詞『と、って』を使ったり、鉤括弧を使ったりして引用をします。

鉤括弧を使った場合とそうでない場合の違いは何でしょうか?

 

正解は、鉤括弧を使った場合は鉤括弧の中でどんな表現でも許されるが、使わない場合は助詞の前は普通体になるということです。

どういうことかというと、ですます体は不可ということです。

例えば、

 

  • 太郎は「今日はご飯を食べません」と言った。

 

という文は

 

  • 太郎は今日はご飯を食べないと言った。

 

という風に変えるのがよいとされています。

 

  • 太郎は今日はご飯を食べませんと言った。

 

はよろしくないということですね。

最近のアプリなどではわざわざ鉤括弧を書くのが面倒くさくて、鉤括弧なしでもですます体を使うこともあるようです。

 

鉤括弧を使って引用することを直接話法(言った言葉をそのまま使う)。

そうでないものを間接話法と呼んだりもします。

 

 

フランス語では?

 

まずは動詞の紹介。

  • 言う dire

不規則動詞です!

 

DIRE

  • Je dis
  • Tu dis
  • Il dit
  • Nous disons
  • Vous dites
  • Ils disent

過去分詞:dit

未来形:di+未来形語尾

 

フランス語でも直接・間接話法の区別があります。

日本語の鉤括弧にあたるものは、

 

: « —-».

になります。

 

  • :はdoux-points
  • « »はguillemets

 

と呼ばれます。

 

  • Je dis : « Je suis étudiant. »(私は「私は学生です」と言う。)

 

日本語との大きな違いがありますが、何でしょうか?

正解は、

 

  • « Je suis étudiant. »
  • 「私は学生です」

 

フランス語は句点(.のこと)がカッコ内にあるが、日本語はない、ということです。

小さいことですが、気を付けましょう。

ちなみに、誰にと言いたいときは、

 

  • à +相手
  • 間接目的語人称代名詞

 

を使います。

 

  • Je dis à Taro : « Je suis étudiant. »(私は太郎に「私は学生です」と言う。)
  • Je lui dis : « Je suis étudiant. »(私は彼・彼女に「私は学生です」と言う。)

 

 

 

 

 

フランス語の間接話法は?

 

日本後の助詞『と』のように、queを使います。

 

  • Je dis que je suis étudiant.(私は私は学生だと言う)

 

ただこの間接話法にはやっかいな点があります。

それはje disの部分が過去になったときに、suisのところがsuisのままではいられないということです。

それについてはややこしいので別の記事で書きます。

 

そして大切なことがもう1つ。

direの内容の中の登場人物は、実際の人に合わせるということです。

どういうことかというと、

 

Il me dit : « tu viens chez moi.»(彼は私に「僕のうちへ来て」と言います)

 

という文は、

 

Il me dit que je viens chez lui.(彼は私に彼のうちへ来てと言います。)

 

と言い換えなければならないということです。

« tu viens chez moi.»のtuはIl me ditのmeにあたる人(自分)。moiはIl me ditのIlにあたる人(彼)ということになるのでこのような言い換えになります。

 

日本語と同じなのですが、外国語だと一瞬うっなりませんか?

僕はなりました(笑)

 

 

まとめ

 

日本語もフランス語もかっこを使った直接話法と使わない間接話法というものがある。

  • 直接話法の場合→: « —-».
  • 間接話法の場合→que

 

問題

次の日本語をフランス語で考えてみましょう。

1:(直接話法で)彼は「私はチョコレートを食べます」と言う。

2:(直接話法で)彼女は私に「太郎は次郎に手紙を一通送るでしょう」と言う。

3:(間接話法で)彼はチョコレートを食べると言います。

4:(間接話法で)彼女は太郎は次郎に手紙を一通おくると言う。

5:(間接話法で)彼女は「太郎は次郎にプレゼントをあげる」と三郎に言う。

 

 

解答例

1:Il dit : « Je mange du chocolat. »

2:Elle me dit : « Taro enverra une lettre è Jiro. »

3:Il dit qu’il mange du chocolat.

4:Elle dit que Taro envoie une lettre à Jiro.

5:Elle dit à Saburo que Taro donne un cadeau à Jiro.

 

どうでしたでしょうか。

間接話法の時制は複雑なので今回はひとまずqueを使うとだけ覚えておきましょう。

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