【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・51 (単独行為文・空間を向く)】

全然ちがうように思えるフランス語と日本語。

実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?

 

 

おさらい

 

前回の記事では単独行為文としてちょっと特別な値段、費用、必要時間について書きました。

 

値段

物 + coûter + 値段

 

  • Ça coûte 110 yens. (それは110円です)

 

費用・必要時間と目的

Il faut + 費用・必要時間 pour 動詞の原形

 

  • Il faut 6 heures pour aller à Tokyo de Nagoya en bus. (名古屋から東京までバスで行くのに6時間かかります)
  • Il faut 3000 yens pour alller à Tokyo de Nagoya en bus.(名古屋から東京までバスで行くのに3000円かかります)

 

疑問詞

  • 必要時間:combien de temps
  • 費用 : combien, combien d’argent

 

今回は単独行為文の最後、方向についてです。

 

 

場所はいくつありますか?

 

昔パリを観光していたとき、映画『アメリ』でも有名なサクレクール大聖堂へ向かうために、近くの鉄道の高架下を歩いていました。

ちょっと雰囲気が悪かったのですが、それもそのはず。

歩いていると、マリファナだかタバコを吸った男が横に来ました。

なんかけったいだななどと思ったその時、男がタバコだかマリファナだか吸った口元を僕の顔に向けてきました。

高架下なので、タバコの先が赤く見えるわけです。

とっさのことですが、僕は右を向きました

その瞬間。

イヤホンで聞いていた音楽が消えました。

僕ははっとしてポケットを確認しました。

すると、mp3プレーヤー(当時流行っていた)が袋だけ残して消えているではないですか!

しまった!と思った瞬間にはもう遅い。

僕は心臓をばくばくさせながら男を探しましたが、高架下は駅の出入り口でもあるので、男の姿はすでに人混みの中。

下を向き、ポケットを確認している最中には消えてしまっていたのです。

 

 

とこのように、日本語ではある空間を向いたり見たりするときにも助詞の『を』が使われています。

何か具体的な物をあれこれしているわけではなく、ある空間の方向に対して体や顔を動かしているわけです。

『見る』に関しては、

 

時計を見る。

右を見る。

 

を比べるとわかるかと思いますが、1つ目の文は時計という具体的なものがありますが、2つ目に関してはありません

なぜなら、もし僕が今、

 

右を見てください。

 

と言ったらどうでしょう。

何がありますか?

右を見た人が見ているのは、すべて違うものではないでしょうか。

ちなみに僕が今右を見ると、窓があります。

このように空間と具体的なもので、日本語の『見る』という動詞は助詞が分かれていません。

目的語の助詞『を』と空間の助詞『を』が重なってしまっているのです。

しかしフランス語では、空間を見たり向く場合は、単独行為文となります。

 

 

フランス語では?

 

これまでの記事でいくつか場所について書いてきました。

 

存在・空間移動の場所

à (に・で・を:男性名詞の国や町)

en (に・で・を:女性名詞の国)

sur la plage (浜に・を)(多少挟まれても開放なsur)

sur l’avenue (大通りに・を)

dans le parc (公園に・を)(四方囲まれてるけど天井まだ開放気味なdans)

en montagne (山に・を)(非開放)

 

 

  • Taro est en France. (太郎は日本にいます)
  • Taro et Jiro marchent dans le parc. (太郎と次郎は公園を歩いています)

 

移動場所

à へ

en へ(女性名詞の国)

chez 宅へ、職業店へ

de から

 

  • Françoise va au Japon.(フランソワーズさんは日本へ行きます)

 

この場合、日本語の存在の場所(『に』)と空間移動(『を』)は、フランス語では同じ助詞が使われます。

しかし方向に関しては重なる前置詞もありますが、そもそも移動の方向を表しているので意味が変わったりします。

 

  • Je suis au Japon. (わたしは日本へ行きます)
  • Je vais à la plage.(わたしは砂浜へ行きます)
  • Je me promène sur la plage.(わたしは砂浜を散歩します)

 

では日本語で、ある空間を見たり向いたりする助詞『を』が使われる場合、フランス語ではどうなるのでしょうか?

この場合、方向の助詞が使われます。

 

上へ(を) en haut

下へ(を)       en bas

右へ(を)       à droite

左へ(を)       à gauche

前へ(を)       en avant

後ろへ(を)    en arrière

まっすぐ(を)        tout droit

 

動詞

向く se tourner

見る regarder

 

  • Je vais à droite. (わたしは右へ行く)
  • Je me tourne à droite.(わたしは右を向く)
  • Je regarde à droite.(わたしは右を見る)

 

しかし気を付けないといけないことは、フランス語では『上を向く』・『下を向く』とは言えないことです。

これは体全体が左に向いたり右へ向いたりはできるが、上下にはできないということかと思われます。

ですから上下に関してはregarderを使いましょう。

ちなみに場所の場合は、以前の存在文の記事でも紹介しましたが、

 

上に sur, au-dessus de

下に sous, au-dessou de

右に à droite

左に à gauche

前に devant

後ろに      derrière

 

  • Je suis derrière vous. (わたしはあなたの後ろにいます)

 

(ストーカーかっ!)になります。

 

 

まとめ

 

  • ある空間を向いたり見たりする場合、日本語では助詞『を』が使われる。
  • 日本語の『見る』は見る対象が空間か物で区別がないがフランス語ではある。
  • フランス語では方向の前置詞が使われる。
  • 日本語では上を向いたり下を向いたり言えるが、フランス語では上を見たり下を見たりになる。

 

問題

つぎの日本語をフランス語で考えてみましょう。

1:わたしは下を向く。

2:彼は左を向く。

3:彼女は前を見る。

4:彼らは後ろを見る。

5:太郎と次郎は上を見る。

 

解答

1 : Je ragarde en bas.

2 :Il se tourne à gauche.

3 :Elle regarde en avant.

4 :Ils regardent en arrière.

5 : Taro et Jiro regardent en haut.

 

いかがだったでしょうか。

フランスは鬼のようにスリが多いので気を付けましょう。

僕の友だちも財布をスられました。

グループスリも多く、すられた!と気づいて捕まえても、そのときすでに別の人間に物が渡っています。

もうそうすると特定はほぼ不可能。

一番初めに盗んだやつは、なんなら被害者顔をしてきたりします。

人が多いところでは内ポケットに物を入れ、鞄のチャックは南京錠で閉めておきましょう!

空間方向でない『見る』も含めていよいよ次回は新しい章にすすみます!

 

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