【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・24 (判断の幅)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
判断の幅?
日本語で、
このチョコレートは高い。
と言ったとき、そこにはこの文を言った人の考えが織り込まれています。
なぜなら『このチョコレート』は他の人にとっては高くないかもしれませんから。
このように客観的な判断とは難しいものです。
あいまいだからこそ、判断の幅が産まれてきます。
このチョコレートは高すぎる。
このチョコレートはとても高い。
このチョコレートは高い。
このチョコレートは高くない。
このチョコレートはあまり高くない。
このチョコレートはまったく高くない。
『とても』や『まったく』のように、名詞は飾らないけど他の文の要素を飾る言葉を副詞と呼びます。
そして『高すぎる』や『高くない』のように、日本語では形容詞が形を変えて判断の幅を指し示したりします。
つまり日本語では副詞や形容詞の活用で判断の幅を表します。
フランス語では?
日本語とは違い、フランス語の形容詞は性数以外では変化しません。
なので判断に関する文で形容詞の活用はありません。
否定文の場合は、繋辞や動詞が否定を表す言葉で挟まれます。
しかし副詞はあります。
- trop すぎる
- très とても・あまり
- du tout まったくない
trèsが肯定と否定の意味で使われているのが不思議な感じですが、
最強の肯定にtrop、最強の否定にdu tout、最強と只の判断の間にtrèsがあると考えるとよいかと思います。
つまり、
Ce chocolat est trop cher!!
Ce chocolat est très cher!
Ce chocolat est cher.
Ce chocolat n’est pas cher.
Ce chocolat n’est pas très cher!
Ce chocolat n’est pas du tout cher!!
と上下対称的に、!!が最強の判断、!が大きめの判断、ゼロ!がただの判断となっているのが分かるかと思います。
そして副詞が繋辞(否定形のまとまりも含めて)の後に置かれていることも要チェックです。
まとめ
フランス語での判断の幅は副詞が使われる。
- trop
- très
- du tout
問題
次の日本語をフランス語で考えてみましょう。
1:このチーズはまったくおいしくない。
2:このチーズはあまりおいしくない。
3:このチーズはおいしくない。
4:このチーズはとてもおいしい。
5:このチーズはおいしすぎる。
(fromage チーズ(男))
答え
↓
↓
↓
↓
↓
1 : Ce fromage n’est pas du tout délicieux.
2 : Ce fromage n’est pas très délicieux.
3 : Ce fromage n’est pas délicieux.
4 : Ce fromage est très délicieux.
5 : Ce fromage est trop délicieux.
いかがでしたでしょうか。
形容詞が否定形になることで活用することは日本語を学ぶ外国の人には難関のひとつです。
「高いじゃありません」
とはよく聞かれるフレーズが、こんな理由があったわけです。
参考になれば幸いです。
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