【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・75 (授受行為文・その他の動詞)】

日本語をおさえてからフランス語を学べば理解度も増すはず。

今回は払う、換える、変える、置く、という授受に似た表現についてです。

 

 

おさらい

 

前回の記事では貸し借りについて書きました。

紹介したフランス語の貸し借りの動詞は、

 

  1. 貸す prêter
  2. 貸す(有償)louer
  3. 借りる(有償)louer       
  4. 借りる      emprunter
  5. 返す rendre
  6. 戻す retourner

 

有償か無償か、使用済みな感じがあるのかないのか、で違う動詞が使わるということでした。

また、emprunter(借りる)は、借りる先を言いたいときは日本語の『~から』につられてdeを使わず、àを使うという注意もありました。

 

  • Je prête ce livre à Taro.(私は太郎へこの本を貸す)
  • J’ai prêté 100 euros à Jiro.(私は100ユーロを次郎へ貸した)
  • J’ai loué une maison à Jiro.(私は次郎へうちを貸した(有償))
  • Jiro a emprunté mon stylo.(次郎は私のペンを借りた)
  • Jiro a loué une maison de son ami.(次郎は友達のうちを借りた(有償))
  • Taro me retournera ce livre.(太郎はこの本を私へ返した)
  • Jiro m’a rendu 100 euros.(次郎は100ユーロを私へ返した)
  • J’ai emprunté un livre à Taro.(私は太郎から(に)本を借りた)

 

これまで授受行為文として紹介してきた動詞は、

 

  1. あげる      donner
  2. 渡す passer
  3. 受け取る  recevoir
  4. 送る envoyer
  5. 貸す prêter
  6. 貸す(有償) louer
  7. 借りる(有償)        louer
  8. 借りる      emprunter
  9. 返す rendre
  10. 戻す retourner

 

今回は更に3つ新しい動詞を紹介します。

 

  1. 払う payer
  2. 交換する  échanger
  3. 変える changer
  4. 置く mettre

 

動詞の共通点?

 

払う payer

交換する  échanger

変える changer

置く mettre

 

この3つの動詞の共通点は何でしょうか?

それは日本語だとすべての動詞で助詞『に』が使えることです。

 

  • 私は係の人1000円払った
  • 係の人は円をユーロに交換した
  • 係の人はお金をトレイに置いた
  • 私は最深の髪形に変えた。

 

このうち、『払う』は前回や前々回と同じでイメージしやすいと思います。

私の1000円が係の人へ移動する、と同じ意味です。

 

『交換する』はどうでしょうか?

たまにあるのが、『変える』との混合。

そもそも、漢字を使わず、和語だけで言った場合、

 

  • 係の人は円をユーロにか(換)えた。
  • 古いカーテンを新しいのにか(変)えた。

 

と意味が違うのに同じ言葉になります。

例文では、換えるは、ユーロも円もそのまま残るのに対し、変えるは、同じ場所のカーテンという同じタイプのものを新しいものにアップデートしているイメージです。

 

『置く』はどうでしょうか?

何かを置くとき、必要なのは置く場所。

置く場所無くして置くという行為は成り立ちません。

自分から置く場所へ物が移動するイメージで、

 

  • 係の人はお金をトレイに(へ)置いた。

 

と助詞『へ』を使うこともできます。

『に』と『へ』の違いは、移動動詞のときと同じで目的度の強さです。

 

  • 学校へ行く。(でも勉強はしない)
  • 学校に行く。(勉強したりする目的がある)
  • 机へ置く。(置いておくだけ)
  • 机に置く。(何かに使うかも)

 

 

フランス語では?

 

払う payer

交換する  échanger

変える changer

置く mettre

 

まずは不規則動詞の紹介です。

 

Payer

  • Je paie/paye
  • Tu paies/payes
  • Il paie/paye
  • Nous payons
  • Vous payez
  • Ils paient/payent

(過去分詞はpayé)

 

……いや、なんで2つあるねん。

と思ってしまうのですが、フランス語の権威機関でもあるアカデミーフランセイズでさえ、どっちでもよい、と言っているので、片方をしっかりマスターして使えるようにまずなり、もう片方は頭の片隅にでも。

発音は同じです。

僕は過去分詞と一致させやすいし、yのほうを使います。

 

METTRE

  • Je mets
  • Tu mets
  • Il met
  • Nous mettons
  • Vous mettez
  • Ils mettent

(過去分詞はmis)

 

いやぁ、日常語に不規則動詞が多いのは困ったものです(日常語だからこそ忘れないように多いのかもですが)

 

ではまずpayer(払う)

 

  • Je paye 300 yens à Jiro.(私は次郎へ300円払う)
  • Je lui paye 300 yens.(私は彼へ300円払う)

 

これはこれまでの授受行為文と同じ構造です。

問題はここから。

échanger(交換する)の前置詞はcontreになります。

 

  • J’échange un livre contre une voiture. (私は一冊の本と一台の車を交換する)

 

うらやましい状況です。

そしてmettrte(置く)の前置詞は場所を表すものが来ますが、今回はよく使われる2つを紹介します。

そのために1つだけ新しい名詞を。

箱     la boîte

 

  • Je mets ce stylo sur la table.(私はこのペンを机へ(に)置きます。
  • Je mets son cadeau dans la boîte.(私は彼のプレゼントを箱に置きます(入れますの意味でも使われる)。

 

置くときは『何かの上』や『何かの中』が多いです。

他にも場所を指定して言うことはできますが、今回はこの2つを覚えておきましょう。

 

 

 

ちょっと複雑なchanger

 

海外旅行で必要なのは現地のお金。

フランスだとユーロが必要になります。

日本語だと

 

  • 円をユーロに換える(両替する)

 

と言いますが、両替の意味で

 

  • 円をユーロに変える

 

とは言いません。

フランス語ではこういうとき、changerとenを使います。

 

  • Je voudrais changer mes yens en euro.(私の手持ちの円をユーロに換えたいです)

 

ここで日仏で意識にちょっと変化が付いています。

日本語では円とユーロは全く違うもの、という意識で交換の換。

フランス語では円もユーロもお金はお金、自分の資産がユーロに変化するだけだからchanger。

これはchangerには変化の意味があるので、変化前も変化後も基本は同じということを指しています。

なので、

 

  • Je change de chemise. (私はシャツを着替えます)

 

ということもできます。

deの後ろは無冠詞

変える、換える、替えるがかなり重なってきてしまい

物々交換で交換のイメージのéchanger.

そうでなくアップデートや変化のイメージのchangerと覚えておきましょう。

ちなみに、どんなシャツに着替えたかをあえて言いたいときには、changer もcontreが使われ、

 

  • Je change mon chemise contre une chemise vert.(緑色の服に着替える)

 

というそうです!

どれだけわがままなんだchangerは……。

 

 

まとめ

 

日本語で助詞『に』が使われ、物が移動するような文でも、フランス語ではcontreや場所を示す前置詞が使われることがある。

 

問題

次の日本語をフランス語で考えてみましょう。

1:彼は私に千ユーロを払った。

2:彼女は彼女の家を1台の車と交換する。

3:私たちはシャツを着替えた。

4:君は机にパソコンを置いた。

5:彼らは箱の中に本を入れた。

 

 

 

 

解答例

1 : Il m’a payé 1000 euros.

2 : Elle échange sa maison contre une voiture.

3 : Nous avons changé de chemises.

4 : Tu mets ton ordinateur sur la table.

5 :Ils ont mis des livres dans une boîte.

 

いかがだったでしょうか。

換えると変えるの違いで勘違いしたことなどないでしょうか?

僕はあります。

というか、調べると結構みなさんあるようで……。

普段意識しないで使っていると、いざというときにおもしろいことになりますね!

 

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