【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・88 (引用文の否定・接続法)】
日本語をおさえてからフランス語を学べば理解度も増すはず。
今回は主張を疑うとき、主張する文は接続法という形に動詞の形を変えることもあるいうことについてです。
おさらい
前回までの記事では、引用文について書いてきました。
引用文とは、
- 引用する文(いわゆる括弧を伴った文や、頭の中での考え)
- 引用する際の表現方法(言う、考えるなど)
という文です。
日本語だと、
- 彼は「これはおいしいね」と言った。
- 彼はこれはおいしいと言った。
のような文です。
厳密には引用ではないのかもしれませんが、評価(~を~だとみなす)のような文も、頭の中の引用ということで引用文に含めました。
紹介してきた動詞は、
- 言う dire
- 尋ねる demander
- 考える penser
- ~は~という状態だと思う trouver
- ~は~だと評価する estimer
- ~は~だとみなす considérer
の6つ。
すべてが日本語の引用の助詞『と』のようにqueを使って引用文が作れるというものでした。
- Je pense que c’est délicieux.(わたしはこれをおいしいと思う)
引用文の否定
さて、引用文には2つのタイプがあります。
- 本当にただの引用
- 主張
の2つです。
- 太郎はありがとうと言いました。
これはただの引用です。
- 太郎はこれはおかしいと言いました。
これは主張の引用です。
なぜなら、『これ』が『おかしい』と言っているのは太郎で、ほかの人はそうではないかもしれませんから。
このような主張文を日本語で否定するとどうなるでしょう?
- 太郎はこれはおかしいと言いませんでした。
特に変化はありません。
フランス語では?
フランス語では主張の引用文を否定するとき、
- Je ne dis pas que c’est magnifique.(わたしはこれは素晴らしいとは言わない)
とも言えるのですが、引用文の動詞を接続法というものにして言うこともできます。
例えば、
- Je ne dis pas que ça soit magnifique.(私はこれは素晴らしいとは言わない)
接続法を使う使わないの違いは
使わない:否定した主張の内容に100%自信あり(これは素晴らしいと言わない)
使う:否定した主張の内容に100%自信があるわけではない(これは素晴らしいとは言わない =「とは」で含みあり)
そしてこのsoitがêtreの接続法の三人称単数の形になります。
接続法の作り方
nousとvousの接続法は半過去形と同じ、それ以外は現在形と同じ。
語尾(1人称単数から3人称複数への順番で)を
-e
-es
-e
-ions
-iez
-ent
語幹(3人称複数形)につける
- aimer – aiment – aim(e, es, e, ions, iez, ent)
- agir – agissent- agiss(e, es, e, ions, iez, ent)
- dire – disent – dis(e, es, e, ions, iez, ent)
です。
基本に忠実ながらの例外は、nousやvousだけ活用の形が他とは違った動詞です。
例えば、voir(vois, vois, voit, voyons, voyez, voient)。
こういう動詞は接続法もnousやvousのときは特別扱いです。
したがって、je, tu, il, ilsのときは接続法の原則ルール通り三人称複数のvoientのvoiを語幹とします。
しかしnous, vousのときはnousとvousの語幹(voy)を使います。
Je voie
Tu voies
Il voie
Nous voyions
Vous voyiez
Ils voient
特殊な語幹を持つものもあります。
習ってきた動詞の中では
- savoir – sach
- faire – fass
- aller – aill (ただしnousとvousのときはall)
- vouloir – veuill (ただしnousとvousのときはveuil)
- valoir – vaill (ただしnousとvousのときはval)
そして不規則な活用する動詞avoirとêtre。
AVOIR
J’aie
Tu aies
Il ait
Nous ayons
Vous ayez
Ils aient
Être
Je sois
Tu sois
Il soit
Nous soyons
Vous soyez
Ils soient
ちょっと一気に情報が来すぎて嫌になってしまいませんか(僕はなります(汗))
覚え方としては、nousとvousの接続法は半過去形と同じ、それ以外は現在形と同じとルールを覚えておき使いつつ、êtreとavoirの不規則を覚えましょう。
- Je ne panse pas que Jiro aime Taro. (次郎が太郎を好きだと思えない)
- Je ne pense pas que nous voyions Taro. (私は我々が太郎に会うと思えない)
- Je ne trouve pas que Taro soit gentil.(太郎が優しいとは私は思わない)
まとめ
主張の引用文を否定にする時は、引用句の中の動詞が接続法の形に変わることもある。
違いは、
- 否定した主張の引用に対して自信がない(接続法をつかう)
- 否定した主張の引用に対して自信がある(接続法をつかわない)
問題
次の日本語をフランス語で考えてみましょう。
1:太郎が次郎を好きだと私は言いません。
2:太郎が次郎を知っていると私は思いません。
3:太郎がフランスへ行くと私は思いません。
4:これがよいと私は評価しません。
5:これがよいと私はみなしません。
解答例
1:Je ne dis pas que Taro aime Jiro.
2:Je ne pense pas que Taro sache Jiro.
3:Je ne pense pas que Taro aille en France.
4:Je n’estime pas que ça soit bon.
5:Je ne considère pas que ça soit bon.
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