【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・86 (引用文を使った間接話法で変わる副詞について)】
日本語をおさえてからフランス語を学べば理解度も増すはず。
元日本語教師によるフランス語基本文法解説。
今回は引用文間接話法の副詞についてです。
おさらい
前回の記事では、フランス語の引用文の間接話法を過去形にする方法について書きました。
日本語では、
- 俺はやっていないと犯人が言う。
- 俺はやっていないと犯人が言った。
のように『言う』が『言った』に変わっても、『俺はやっていない』の部分は変わらない。
でもフランス語では変わるというような内容でした。
具体的には、
発言行為が過去の場合、引用文は……
- 半過去←現在
- 半過去←半過去
- 大過去←複合過去
- 条件法過去←前未来
- 条件法現在←単純未来
へと時間が後退します。
大過去と条件法過去の作り方も合わせて書きました。
大過去の作り方
- avoirかêtreの半過去+過去分詞
条件法過去の作り方
- avoirかêtreの条件法+過去分詞
それを使って具体例を書くと。
- Il a dit : « Je mange (mangeais) ça.(彼は「僕はそれを食べる(食べている)」と言った)
- Il a dit qu’il mangeait ça.
- Il a dit : « J’ai mangé ça. »(彼は「僕はそれを食べた」と言った)
- Il a dit qu’il avait mangé ça.
- Il a dit : « J’aura mangé ça. »(彼は「僕はそれを食べているはず」と言った)
- Il a dit qu’il aurait mangé ça.
- Il a dit : « Je aura mangerai ça. »(彼は「僕はそれを食べるはず」と言った)
- Il a dit qu’il mangerait ça.
時間や場所の束縛を放つ引用文
大変です。
教授からメールが来て、「次の君の論文チェックのミーティングは来週の月曜日に変更」と言ってきたではないですか。
予定では来週木曜だったので高をくくっていたのですが、やばいことに。
「いや、先月のミーティングのときに、来週の木曜日だって約束したやないですか」的なメールを書いて送ってみたのですが、教授は急な会議が木曜に入ってしまって月曜しか空いていないということに。
今日はもう火曜日。
次の月曜まで一週間切っています……。
と、日本語では『来週の月曜日』を『次の月曜日』と言い換えることができます。
『次の月曜日』って、いつだと思いますか?
それは
『教授がメールを送ってきた時を起点にした次の月曜日』
です。
なぜなら今回のこの記事が配信されるころには、もうすでにミーティングは終わっているからです。
読んでくれた人がいつ読んだかはわかりませんが、たとえば7月3日の水曜日に読んだとしても、『次の月曜日』とは教授がこのメールを送ってきた日(5月21日)の次の月曜日(5月27日)になります。
フランス語では?
フランス語も同じです。
間接話法にすると、直接話法で引用していた時間や場所の情報(副詞)が変わります。
具体的には直接話法の引用(かっこの中)時間や場所→間接話法(かっこを無くしたとき)で、
- aujourd’hui → ce jour-là(今日→その日)
- hier → la veille(昨日→前日)
- demain → le lendemain(明日→次の日)
- ce matin → ce matin-là, le matin(今朝→その日の朝)
- hier soir → la veille au soir(昨晩→前日の晩)
- la semaine dernière → la semaine précédente(先週→前の週)
- la semaine prochaine → la semaine suivante(来週→次の習)
- lundi dernier → le lundi précédente(この前の月曜日→その前の月曜日)
- lundi prochain → le lundi suivant(この次の月曜日→その次の月曜日)
- il y a X jours → X jours avant (auparavant)(X日前→そのX日前)
- dans X jours → X jours après (plus tard)(X日後→そのX日後)
- ici → là(ここ→そこ)
等などとなります。
- Il a dit : « Je mange ça aujourd’hui. »(彼は「僕はそれを今日食べる」と言った)
- Il a dit qu’il mangeait ça ce jour-là.
- Il a dit : « Je mangera ça demain. »(彼は「僕はそれを明日食べる」と言った)
- Il a dit qu’il mangerait ça le lendemain.
- Il a dit : « J’ai mangé ça hier soir. »(彼は「僕はそれを昨日の夜食べた」と言った)
- Il a dit qu’il avait mangé ça la veille au soir.
- Il a dit : « Je mangerai ça lundi prochain. »(彼は「僕はそれを次の月曜日に食べる」と言った)
- Il a dit qu’il mangerait ça lundi suivant.
- Il a dit : « Je mangerai ça dans 3 jours. »(彼は「僕はそれを3日後に食べる」と言った)
- Il a dit qu’il mangerait ça 3 jours après.
- Il a dit : « Je mange ça ici. »(彼は「僕はこれをここで食べる」と言った)
- Il a dit qu’il mangeait ça là.
動詞を変えたり副詞を変えたり忙しいですが、ゆっくりひとつずつやれば慣れます!
まとめ
フランス語でも日本語でも時間や場所の副詞が入った引用文を間接話法にする場合は表現が変わる。
今回はひとまず12個紹介した。
- aujourd’hui → ce jour-là(今日→その日)
- hier → la veille(昨日→前日)
- demain → le lendemain(明日→次の日)
- ce matin → ce matin-là, le matin(今朝→その日の朝)
- hier soir → la veille au soir(昨晩→前日の晩)
- la semaine dernière → la semaine précédente(先週→前の週)
- la semaine prochaine → la semaine suivante(来週→次の習)
- lundi dernier → le lundi précédente(この前の月曜日→その前の月曜日)
- lundi prochain → le lundi suivant(この次の月曜日→その次の月曜日)
- il y a X jours → X jours avant (auparavant)(X日前→そのX日前)
- dans X jours → X jours après (plus tard)(X日後→そのX日後)
- ici → là(ここ→そこ)
問題
次の日本語を間接話法のフランス語で考えてみましょう。
1:彼女は昨日7時に起きたと言った。
2:彼女は今朝7時に起きたと言った。
3:彼女は明日6時に起きると言った。
4:彼女は先週6時に起きたと言った。
5:彼女は「2日前は5時に起きた」と言った。
解答例
1:Elle a dit qu’elle se levait à 7 heures le veille.
2:Elle a dit qu’elle s’était levée à 7 heure ce matin-là (le matin)
3:Elle a dit qu’elle se lèverait à 7 heures le lendemain.
4:Elle a dit qu’elle s’était levée à 6 heures la semaine précédente.
5:Elle a dit qu’elle s’était levée 2 jours avant (auparavant)
いかがだったでしょうか?
動詞と副詞2か所変えるところがあるので複雑そうに見えますが、順序よくゆっくり変えていけば自然と慣れて使えるようになります。
焦らずにいきましょう!
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