【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・74 (授受行為文・貸し借りについて)】

日本語をおさえてからフランス語を学べば理解度も増すはず。

今回は授受行為文の貸したり借りたりがメインです。

 

 

おさらい

 

前回の記事ではあげたりもらったりするときの相手先を人称代名詞にしてみたらどうなるかについて書きました。

相手先のことを人称代名詞(間接目的語人称代名詞)に変えると、

 

間接目的語人称代名詞

  • me(私へ)
  • te(君へ)
  • lui(彼へ)
  • lui(彼女へ)
  • nous(私たちへ)
  • vous(貴方たちへ・あなたへ)
  • leur(彼らへ)
  • leur(彼女らへ)

 

になります。

ちなみに間接でなくて以前書いた直接の場合は、

 

直接目的語人称代名詞

  • me(わたしを)
  • te(君を)
  • le(彼を・男性名詞のこれを)
  • la(彼女を・女性名詞のこれを)
  • nous(私たちを)
  • vous(貴方たちを・あなたを)
  • les(彼らを・彼女らを・複数名詞のこれを)

 

  • Je donne ce chocolat à Jiro. (私はこのチョコを次郎にあげる)

 

としたときに、Jiroの前にはàがありますが、ce chocolateの前にはありません。

Jiroはà を介して(間接)、ce chocolateはそのまま(直接)動詞 donneとつながっている目的語なので、間接や直接といった名前が付いています。

間接目的語人称代名詞も、直接目的語代名詞も置かれる場所は動詞の前。

 

  • Je lui donne ce chocolat.(私は彼にこのチョコをあげる)
  • Je le donne à Jiro.(私はこれを次郎にあげる)

 

両方人称代名詞にする場合は、順番が決まっていました。

 

  1. 1人称2人称(わたしやあなた)
  2. 3人称(彼、彼女、男性女性名詞)の直接目的語
  3. 3人称の間接目的語

 

(me, te, nous, vous) – (le, la, les) – (lui, leur)

 

  • Je le lui donne. (私はこれを彼(彼女)にあげる)

 

また『~に~をもらう』という日本語は『~が~をくれた』という文にする(基本的な意味は同じです)ということも書きました。

 

つまり、

 

  • Taro lui a donné ce chocolat. (luiは私の弟ということにします)

 

という文は、

一見すると、『太郎はチョコレートを私の弟にあげた』のように見えますが、意味としては『太郎は弟にプレゼントをくれた=弟は太郎にチョコレートをもらった』という意味になります。

 

 

貸し借りの問題は難しい……

 

みなさんはお金を借りたことはありますでしょうか?

僕はたまにあります。

といっても、ちょっと手持ちがなくて500円とかの規模を借りたりしかありませんが。

借りた時は忘れないようにメモしておき、手持ちができたら速効お金を返します

借りるといえば、図書館。

フランスでも本を借りれますが、返却期間を過ぎると罰金があったります。

ちなみにニースの公立図書館はトイレを借りられません(笑)

あとはやはり、レンタルCDとかDVD屋さんが無いのが微妙に痛いですね。

最近はネット上で月額いくら払ってというのが主流ですが、常にネットにつながっていると思わないでほしい!

 

というわけで、色々な貸し借りが日本語にはあります。

  • 誰か何かを貸す
  • 誰か何かを借りる
  • 誰か何かを返す

 

……あげたり、もらったりに似ていませんか?

これを場所を強調した助詞を使って書いてみると、

 

  • 誰か何かを貸す
  • 誰かから何かを借りる
  • 誰か何かを返す

 

となります。

つまり、

 

  • 貸す』と『返す』は方向がこちらから向こうへ
  • 借りる』は方向が向こうからこちらへ

 

となっています。

 

 

フランス語では?

 

まず動詞の紹介を。

 

  1. 貸す prêter
  2. 貸す(有償)louer
  3. 借りる(有償)louer       
  4. 借りる      emprunter
  5. 返す rendre
  6. 戻す retourner

 

シビアなもので、借りるときはお金がからむときとそうでないときで動詞が分かれています。

とういか玉虫色のlouerは前置詞がある場合は前置詞で( à なら貸す。deなら借りる)区別し、前置詞が無い場合は文脈で判断するトリッキーな言葉です。

rendreとretournerの違いは、使用済みかどうかです。

お店でDVDを借りて鑑賞したあとに返すイメージがrendre。

DVD借りたけれど傷があって見れなかったから返却するのがretournerなので、そういう意味での『戻す』です。

 

ちなみにrendreは不規則動詞です。

 

RENDRE(過去分詞はrendu)

  • Je rends
  • Tu rends
  • Il rend
  • Nous rendons
  • Vous rendez
  • Ils rendent

 

 

  • Je prête ce livre à Taro.(私は太郎へこの本を貸す)
  • J’ai prêté 100 euros à Jiro.(私は100ユーロを次郎へ貸した)
  • J’ai loué une maison à Jiro.(私は次郎へうちを貸した)
  • Jiro a emprunté mon stylo.(次郎は私のペンを借りた)
  • Jiro a loué une maison de son ami.(次郎は友達のうちを借りた)
  • Taro me retournera ce livre.(太郎はこの本を私へ返した)
  • Jiro m’a rendu 100 euros.(次郎は100ユーロを私へ返した)

 

 

日本語と同じなEmprunter

 

Emprunter (借りる)は『~から借りる』と言いたいとき、前置詞はdeじゃありません

 

à+人

 

です。

 

  • J’ai emprunté un livre à Taro.(私は太郎から本を借りた)

 

このàは所有のàだと思われます。

これまで

 

  • 移動 Je vais à l’école. (わたしは学校へ行く)
  • 存在 Je suis à Nice.(わたしはニースにいます)
  • 移動先 Je donne ce cadeau à Taro.(私は太郎へこのプレゼントをあげます)

 

について書きましたが、今回は所有のàです。

この所有のàは、

 

  • C’est à moi. (それはわたしのです)

 

というように繋辞文でも使えます。

日本語の所有を表す助詞『に』に似ています。

 

  • J’ai emprunté un livre à Taro.(私は太郎から(に)本を借りた)

 

なので、太郎の部分を人称代名詞にすると、

 

Je lui ai emprunté un livre.(私は彼に本を借りた)

 

となります。

 

 

まとめ

 

  • 日本語では借りる・返すの2つの動詞で貸借が言える。
  • フランス語では、貸すとき有償か無償で言葉が違う。
  • 返す時は、使用したのかただ戻すのかで言葉が違う。
  • emprunterは前置詞は所有の意味で使われるà。

 

 

問題

次のフランス語を日本語で考えてみましょう。

1:私は彼にこの車を貸します。

2:彼は太郎に1000円貸します。

3:太郎は彼に1000円を借りました。

4:太郎は彼に1000円を返しました。

5:彼は私にこの車を返しました。

 

 

解答例

1:Je lui prête cette voiture.

2:Il a prêté 1000 yens à Taro.

3:Taro lui a emprunté 1000 yens.

4:Taro lui a dendu 1000 yens.

5:Il m’a retourné cette voiture.

 

いかがだったでしょうか?

借りるときはフランス語と日本語で考え方が似ているのは驚きですね!

 

ネイティブ講師とフランス語会話を練習するなら
>> ベルリッツ・フランス語(現在無料体験実地中なのでお急ぎで(通常料金19800円から))