【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・47 (単独行為文の否定形・全否定)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
目次
おさらい(わかる人は飛ばしてください)
前回の記事は2つのことに関してでした。
1つ目は移動の目的の表し方。
- 何をしに行くのか。(aller + 動詞の原形)
- 何をしに来るのか。(venir + 動詞の原形)
2つ目は空間移動(~を散歩する、等)の際の前置詞がフランス語ではバラエティ豊かということでした。
- sur la plage (浜を)
- sur l’avenue (大通りを)
- dans le parc (公園を)
- en montagne (山を)
浜や大通りのように両方を挟まれている感のsur。
周りは囲まれているが上は開いている感のdans
そして全体的に囲まれている感のen(冠詞要らず)。
単独行為文として学んできた動詞は、
- 旅行する voyager
- 寝る dormir
- 起きる se lever
- 行く aller
- 来る venir
- 歩く marcher
- 散歩する se promener
付け加える情報として、
行為場所
à (で・を:男性名詞の国。町)
en (で・を:女性名詞の国)
- Je voyage en France.(フランスを旅行します)
移動場所
à へ
en へ(女性名詞の国)
chez 宅へ、職業店へ
de から
- Je vais chez toi.(君の家に行きます)
不特定な場所
ici ここ
là-bas そこ
- Je vais là-bas. (そこへ行きます)
移動方法
à で(座席ない)
en で(座席確保できる)
- Je vais au Japon en avion.(日本へ飛行機で行きます)
共同行為者
avec と
tout seul (ほかの人がいないとき)
- Je vais en France avec un ami.(フランスへ友達と行きます)
時間
何もつかない
今 maintenant
あとで plus tard
今日 aujourd’hui
明日 demain
昨日 hier
~曜日に lundi
(ただし曜日はleを付けると、毎曜日になる)
すでに déjà
まだ encore
前置詞が付く
~月に en X, au mois de X
午前 dans la matinée
午後 dans l’après-midi
季節 au printemps, en X
夜に dans la nuit
正午に à midi
~後に dans XX
~前に il y a XX
形容詞的なものがつく
あとで plus tard
毎日 tout les jours
毎週 chaque semaine
今週 cette semaine
来週 la semaine prochaine
先週 la semaine dernière
毎月 chaque mois
今月 ce mois
来月 le mois prochain
先月 le mois dernier
毎年 chaque année
今年 cette annés
来年 l’année prochaine
去年 l’année dernière
朝 le matin
今朝 ce matin
今晩 ce soir
すぐに tout de suite
などがありました(時間表現はゆっくり慣れて行きましょう)。
わたしには聞こえます。
いや、もういいよ、単独行為お腹いっぱいだよ。
いつまでやってんねん、と。
そんなあなたに朗報。
今回は否定形です!
……単独行為の否定は即ち単独行為じゃない……とはいかないけれど、ちょっと新しい風が吹くのではないのでしょうか。
ヌパ…覚えていますか?
ヌパというキャラクターはいませんが、以前の記事でも書いた否定文の作り方の基本。
動詞をneとpasで挟む。
例えば、
- On n’est pas samedi aujourd’hui.(今日土曜日じゃありません)
- Shinji n’est pas au Japon. (シンジは日本にいません)
- Il n’y a pas de chocolat.(チョコレートがありません)
などがありました。
単独行為文も同じです。
neとpasで挟むだけ。
- Je ne voyage pas en France.(フランスを旅行しません)
追加情報を付けると意味合いがすこし変わるのは日本語と同じ。
- Je ne vais pas à la plage avec toi.(君と浜辺には行きません)→他の人とは行くかもね(泣き)
- Il ne vient pas chez moi ce soir. (彼は今晩うちに来ない)→他の日は来る(可能性)。
動詞が2個の場合は??
allerとvenirを使って近い過去未来や目的を言うことができることは書いてきました。
近接未来(するところです)
aller + 動詞の原形
近接過去(したところです)
venir de + 動詞の原形
目的(しにいきます。しにきます)
aller + 動詞の原形
venir + 動詞の原形
こういう場合は、初めのallerやvenirのように、活用されている動詞をneとpasで挟みます。
- Je ne vais pas dormir. (まだ寝るところじゃない)
- Il ne vient pas de dormir. (彼は今寝たばかりじゃない)
- Nous n’allons pas voyager en France. (私たちは旅行しにフランスへ行かない)
- Ils ne viennent pas voyager en France. (彼らは旅行しにフランスに来ない)
neとpasの間の動詞はすべて形が変わっていることを要チェックです。
そしていつも誰もどこへも……
今日実は大学院でセミナーがあったんですが、朝10時から開始のはずが、10時までに教室にいたのが僕だけでした。
5分過ぎても誰も来ない。
せめて担当教授くらい来いよ!!などと思わなくなったのはフランスに慣れてきた証拠でしょう。
と、こんな風に日本語では全否定をするときは、動詞を否定形にし、疑問詞に助詞『も』を付けます。
誰も来ない。
どこも行かない。
いつも行かない。
などです。
これは、例えば『誰も~ない』なら、君も、彼も、彼女も、加藤さんも、志村さんも、マイクさんも、マッテテコイサンマンさんも来ない!
という不特定多数の否定の意味が重なることを表しています。
否定でなくても、意味が重なるとき、日本語では助詞『も』が使われますね。
チョコレートも、ケーキも、どら焼きも、寿司も、優しいパパとママも、恋人のミーちゃんもぜんぶ好き。
などと体の青い猫型ロボットの気持ち『好き』という意味の範囲で囲われているものを助詞『も』で言い表しています。
フランス語では?
フランス語では分割されます。
全否定
- 人の場合:personne ne (誰も~ない)
- 場所の場合 nulle part (どこも~ない)
- 頻度の場合 pas toujours (いつも~ない)
注意が必要なのは、全部neとpasで挟む形の否定文になるのですが、
- personneは三人称単数形扱い。
- personneとnulle partを使った場合は、pasが不要ということです。
つまり
- Personne ne vient. (誰も来ません)
- Je ne vais nulle part aujourd’hui. (今日はどこも行きません)
- Il ne vient pas toujours.(彼はいつも決ません)
のようになります。
まとめ
- 否定文の基本はneとpasで動詞を挟む。
- 動詞が2個とかある場合は、活用している動詞をneとpasで挟む。
- 全否定は人、場所、頻度で言葉が違う。
問題
つぎの日本語をフランス語で考えてみましょう。
1:私は山を散歩しません。
2:彼はフランスに旅行しに来ません。
3:誰も寝ません。
4:彼らはどこも行きません。
5:太郎はいつも学校へ行きません。
解答例
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1 : Je ne me promène pas en montagne.
2 : Il ne va pas voyager en France.
3 : Personne ne dort.
4 : Ils ne vont nulle part.
5 : Taro ne va pas toujours à l’école.
どうでしたでしょうか?
全否定は言うは易し、言われるのは難し(こちらの精神的に)ですよね。
僕はフランスの大学いくつかをキャンパスフランスに申し込んだとき、次々と却下のお達しが届いて、どこもあかんがや~!ってなって忸怩たる思いになったことがあります(遠い目)。
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