【(初心者向け)簡単なフランス語文法入門・基本の『き』・29 (存在文il y a)】
全然ちがうように思えるフランス語と日本語。
実は似ているところがあったら学びやすいと思いませんか?
圧倒的存在感
前回までの繋辞文とは違い今回からは存在文についてです。
さて存在文とは何でしょうか?
そもそも存在とは?
などと哲学的なことは置いておいて、日本語として思いつくのは、「ある・いる」ではないでしょうか。
- 消しゴムが机の上にあります。
- 庭に野良猫がいます。
日本語では生き物には「いる」、生き物じゃければ「ある」を使います。
と言っても、その境界線はあいまいでロボットであっても、
ドラえもんなら台所にあるよ。
とは言いません。
比較的最近のロボットであるソフトバンクのペッパーにも、グーグルの検索結果候補などを確認すると多くの人が「いる」使っています。
発言する当人の意識上で生物的イメージがあれば「いる」を受けるにふさわしい存在なのでこのようなことが起きるのでしょう。
このような生物非生物を区別するのはカタルニア語などでも見られますが、安心してください。
フランス語ではありません。
フランス語では生物であろうがなかろうが、
Il y a
で「ある」も「いる」も表せてしまいます。
が、気を付けないといけないことが1つ。
それは、
Il y a + 定冠詞のつかない名詞
に限られるということです。
つまり、le, la, lesのつくような名詞は使えません。
反対に、un, une, des, du, de l’, そしてunが使えるのですから個数を表すdeux, trois, quatre…などは使えます。
- Il y a un chocolat. (チョコレートがあります)
- Il y a un chat! (猫が一匹いる!)
せっかくなので、次の言葉も覚えてしまいましょう。
- beaucoup de たくさんの
- peu de + 数えられる名詞(鉛筆とか) 少しの
- un peu de + 数えられない名詞(水など) 少しの
(deのあとが母音の場合はd’になります。また数えられない名詞の場合は複数形になりません)。
形のないものにもいえる
といっても幽霊とかじゃありません。
イベントです。
- お祭り la fête
- 花火 le feu d’artifice
- イベント la manifestation
- 試合 le match
- Il y a un feu d’artfice chaque été. (毎年夏に花火があります)
誕生日は?
- 誕生日 l’anniversaire
フランス人に確認したところ、誕生日は,
- C’est l’anniversaire de Paul aujourd’hui.(今日はポールの誕生日です)
とC’estを使うほうがナチュラルとのことでした。
ニコラスさんは?
- ニコラスさんがいます。
と言いたいときに、
Il y a Nicolas.
と言えるのでしょうか?
フランス人の友人に聞いてみた所、微妙だということです。
しかし日本人の生物・非生物の境界線があいまいなように、実はフランス人の意識も微妙なところがあります。
例えば目の前に会議に出席するメンバーの名前が書いてある書類があり、だれが出席するのかな……と名前を追っていくときには、
- Il y a Nicolas, Tom, Kenji, Mathilde et Doraemon.
などとIl y a文が使えます。
このとき、人名が使われ、そしてその人名が特定の人物を表すにもかかわらず、意識上では生物から非生物への転換が行われているのです。
持ってはいない
日本語の「いる・ある」を使った文にはもう1つ意味があるのはお気づきでしょうか?
- 姉が2人います。
- うちにパソコンがあります。
この文には「持っている」、つまり所有の意味があります。
所有に関しては別の記事で書きます。
まとめ
フランス語の存在文は生物でも非生物でも
Il y a + 非定冠詞+名詞.
を使う。
人名の使用は非生物化の意識が必要。
問題
以下の日本語をフランス語で考えてみましょう。
1:バナナが一本あります。
2:コップがたくさんあります。
3:ジュースがすこしあります。
4:少数の人がいます。
5:水があります。
(banane バナナ・女, tasse コップ・女, jus ジュース・男 personne 人・女)
↓
↓
↓
↓
↓
答え
1 : Il y a une banane.
2 : Il y a beaucoup de verres.
3 : Il y a un peu de jus.
4 : Il y a peu de personnes.
5 : Il y a de l’eau.
いかがだったでしょうか。
存在を表す文は場所とも組み合わせられるので、それは次回です。
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