【フランスでルームシェア生活メリットデメリット・赤裸々公開18(戦友との別れ。しばしの休戦)】
トイレの後に手を洗わなければシャワーも洗わないフランス人のJさんの異臭問題。一緒に対向したLさんDさんの留学期間も終わりが迫ってきて……。
アパート内に広がる恐怖
Jさんはおとなしい感じの人で、自分から話しかけるということがなかなかできない人でした。
しかしそれはまったくもって問題ではありません。
問題は別のところにありました。
距離が近い。
例えば料理中、フライパンを使ったり野菜を切ったりしているときに、Jさんはほぼ真横に来ます。
そして無言です。
じぃっと切られる野菜やフライパンの中を見ています。
無言です。
僕は料理中は、次はあれやってその間にこれやってと色々考えながら動いています。
なので、あまり余裕がありません。
しかしJさんはその間無言で近くに突っ立ち、手元を凝視してきます。
そしてシャワーを浴びないJさんの異臭が至近距離から漂ってきます。
これは僕だけれはありませんでした。
LさんやDさんも同じ経験をし、怖がっていました。
正直僕も怖かったです。
何作ってるの?
とか一言あればいいのに、時として背後に立って凝視されているときがあり、そういうときは思わずフライパンから野菜が飛び出るかと思いました。
もちろんこちらから話しかければ話を返してはきます。
しかし、Jさんは話し方にも独特な物がありました。
一度話し出すと止まらないんです。
例えば、学校はどうだったという話題をふると、授業の内容からクラスメイトのプライベートの名前、年齢などといった詳細がとめどなく返って来ます。
息継ぎが無いかのように話すので、こちらは合いの手を挟む間もありません。
ただ閉口するのみ。
それが毎回15分以上続きます。
出来立てのごはんは当然ながら冷めます。
台所から聞こえてきてしまうその一方通行に、LさんやDさんは同情してくれていました。
彼女たちは英語とフランス語の壁で難を逃れていたので大丈夫でした。
僕はこれはフランス語のリスニングの練習やで、と思って聞いていました。
アパート外へ広がる恐怖
こんなこともありました。
ある日曜。
アパートで僕の友だち(男女2人ずつ)やLさんDさんと一緒に夕食会をしていました。
それぞれの国の料理を持ち合ってしたもので、とても楽しかったです。
そこにJさんが帰って来ました。
僕の友だちは僕よりもフランス語が話せるので、Jさんにフランス語で挨拶をするのですが、目を見開きJさんは震え出しました。
顔は紅潮。
そして無言で部屋に入っていきます。
まだ残っていた国際色豊かな料理をJさんにもあげようという話になっていたのですが、Jさんの態度に場が白けてしまい、お開きとなってしまいました。
後日、夕食会に来ていた女の子にめちゃくちゃ怖かったと言われました。
クリスマスは別れの季節。
ヨーロッパはクリスマスが正月のようなものです。
なので、12月中頃には授業が終わります。
Jさんは第一週目でクリスマスバカンスだと嬉々として実家へ戻っていきました。
戻りは1月半ば。
そしてLさんとDさんも半期の留学が終わり、帰国することに。
最後に一緒に中華料理レストランへ行ったり、クリスマスマーケットへ行ったりしました。
別れ時に二人に、Jさんとまだ暮らさなければならないことをかなり心配され、同情もされました。
以上、内外に恐怖を振りまいたJさんの話でした。
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